“怪物”野杁正明、キャリア60戦目へ意気込み「いまがピーク」「意味のある試合を」
今月17日に行われる立ち技格闘技イベント「AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 2023~スーパー・ウェルター級&女子フライ級ダブルタイトルマッチ~」(東京・両国国技館)。アマンシオ・パラスキフ(ルーマニア)と対戦するK-1 WORLD GP ウェルター級王者の“怪物”野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)に試合への意気込みやキャリア60戦を迎えての今後のビジョンについて話を聞いた。
復帰戦勝利の武尊の表情を見て安心「楽しんでる姿を久しぶりに見られた」
今月17日に行われる立ち技格闘技イベント「AZABU PRESENTS K-1 WORLD GP 2023~スーパー・ウェルター級&女子フライ級ダブルタイトルマッチ~」(東京・両国国技館)。アマンシオ・パラスキフ(ルーマニア)と対戦するK-1 WORLD GP ウェルター級王者の“怪物”野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)に試合への意気込みやキャリア60戦を迎えての今後のビジョンについて話を聞いた。(取材・文=島田将斗)
◇ ◇ ◇
――試合も近くなってきましたが、現在のコンディションはいかがでしょうか。
「可もなく不可もなくいつも通りです。減量中なので疲労がたまって、やっと試合が近づいてきたなって印象ですね。昔は減量がきつくてケガが多かった。今回はケガもなく順調です。(この時期に)調子が良すぎると逆に不安でもあるんで、そういった意味でのいつも通りです」
――この戦いに向け、特別な技を準備していると聞きました。どんな技ですか。
「トレーナーとの練習でたまたま出して『すごく痛い』となったものです。元々できた技ではあったんですけど、試合で出したことはないですし、それをやっている選手もあまりいない。少なからず試合で出るとは思います。地味な技ですけど、だからこそ痛い」
――パラスキフへどんなイメージを持っていますか。
「パンチで倒すことが多い、戦い方もボクサータイプの選手ですね。やってみないとパワーだったりハンドスピードは分からないので、なんとも言えないんですけど、唯一怖さをあげるとすれば、まとめられたときのパンチの重さだったり回転の速さという印象です」
――パラスキフのKO負けが少ないという情報に何を思いますか。
「(ジョルジオ)ペトロシアンと対戦してKOされていないのであれば、そういった選手をKOすれば世界で名前も売れます。そこは意識していますね」
――打ち合わずに亀のように身を固めて戦う選手もいます。そういうタイプとはどう戦いますか。
「勝負をしにきてくれる選手と無事で済まそうという選手がいます。過去にも無事で済ませようというタイプの選手と対戦して、倒せなかったこともありますし、そういった選手をしっかりKOするのが、このまえの武尊くんもそう。そこを見習うじゃないですけど、1Rで倒せなくても3分×3Rあるので、守りに入られてもそれ以外の技で倒す準備はしているので大丈夫です」
――開始早々に相手をKOするときはどんな作戦なのでしょうか。
「作戦ももちろんあるんですけど、1Rが始まって対峙(たいじ)した時点で5割くらい分かって、ファーストコンタクトであったりとかで30秒くらいすれば大体は分かります。なのでそこで行くか行かないかみたいな感じです。フィニッシュ(のイメージ)は決まっているので、それを当てるために工程をどんどん進めていきます」
――武尊選手の名前もありましたが、6月24日の復帰戦はどう見ていましたか。
「勝つのは100%分かっていたことでした。本当に武尊くんが楽しんでやっていたので安心しました。誰も想像できないようなプレッシャーも前回からずっとありましたし、体もボロボロの中でね、あれだけいろいろやっているので、本当に『格闘技やってる時だけは唯一いろんなことを忘れて楽しめる』って言ってたので、楽しんでる姿を久しぶりに見られて僕は安心しました」
――那須川天心に敗戦してからの“復活”という点ではどうでしたか。
「さすがだなとしか出てこなかった。いろんな選手がいるなかで本当にストイックなのって武尊くんだと思う。やりすぎじゃない? って思うのに武尊くんはそれ以上やる。僕にはできないことですし、僕とはスタイルが違うので、全部を見習うわけではないんですけど、それが武尊くんらしさ。引退の言葉もあったので、あの復活はさすがのひとことです」
――今回でキャリア60戦目です。今後どのようなキャリアを積んでいきたいですか。
「いまがちょうどピークの年。まだ数年はできるとは思うので、だからこそトップと。今さら日本人とやっても……、リベンジしなければならない選手は1人いますけど、世界のトップとどんどんやっていきたい。意味のある試合をやりたいです」