「冷凍ギョーザが張り付いてしまう」 味の素が“本気の検証”、フライパン募集で「予想以上」2000個
手軽に簡単調理で味わえる冷凍食品。調理の際にちょっとした悩みがあることも確かだ。「冷凍ギョーザがフライパンに張り付いてしまう」。そんな消費者からの相談を受け、味の素冷凍食品が、本気の検証を進めている。「コーティングのはがれ」といったフライパンの経年劣化に起因する可能性が浮上。さらなる研究のために“張り付き現象”が起きてしまうフライパンを広く募集すると、なんと2000個以上が集まった。使い込んだフライパンでもおいしく焼ける方法が、徐々に見えてきているという。同社に現状を聞いた。
味の素冷凍食品「お客様の声をいただきながら、“永久改良”を全社で掲げ、商品開発を続けています」
手軽に簡単調理で味わえる冷凍食品。調理の際にちょっとした悩みがあることも確かだ。「冷凍ギョーザがフライパンに張り付いてしまう」。そんな消費者からの相談を受け、味の素冷凍食品が、本気の検証を進めている。「コーティングのはがれ」といったフライパンの経年劣化に起因する可能性が浮上。さらなる研究のために“張り付き現象”が起きてしまうフライパンを広く募集すると、なんと2000個以上が集まった。使い込んだフライパンでもおいしく焼ける方法が、徐々に見えてきているという。同社に現状を聞いた。
今年5月、ある消費者から届いた「冷凍ギョーザがフライパンに張り付いてしまう」という悩みの投稿。これを受けて同社は、複数の使い込まれたフライパンを用いて調理検証を実施した。
6月中旬に検証結果が報告となった。冷凍ギョーザがうまく調理できない要因として、フライパンの材質、調理する個数、火加減、蒸し時間などさまざまな要素があることを例示し、「中でも長年使い込んだフライパンはコーティングのはがれや細かい傷などが生じており、冷凍ギョーザだけでなく、他の食材も同様に張り付く可能性が高いと想定されます」との見解を示した。
そのうえで、「フライパンには寿命があり、買い替えをご検討いただく必要があるという前提の上で、張り付きのさらなる改善に向け、複数の検証を行いました」と説明。
同社は冷凍ギョーザ商品をフライパンで焼く際の調理方法として、通常は「油・水なし、中火で約5分蒸し焼き」を推奨している。また、公式ホームページでは、焦げつきやすいフライパンには少量の油をひくという注意点も掲載している。
一方で今回、コーティングがはがれたフライパンで調理する場合に、「『大さじ1程度の油をひく』または『弱火で10分蒸し焼きする』のいずれかで張り付きが改善できることを確認しました」とし、2つの新たなポイントが発見されたことを明かした。
さらなる検証を続けるために、一般消費者からフライパンを募集することに。「予想以上」の反響が起こり、1000個以上のダンボール、2000個以上の大量のフライパンが届いたため、すでに受け付けは終了。同社研究所で“再検証”に取り組んでいる。
検証を重ねる理由や進捗状況について同社の担当者に聞くと、「これまでは、フライパンを長年使い込んで劣化したことが(張り付きの)一番の要因と考えていましたが、今回のご提起を踏まえ、再検証を行っています」と説明。コーティングがはがれたフライパンを使用する際の効果的な調理法については「『大さじ1程度の油をひく』または『弱火で10分蒸し焼きする』の2つのポイントが再現検証の中では見えてきましたが、まだまだ情報が不足と考え、再度募りました。今回ご案内した検証結果は必ずしもすべてのフライパンでうまく焼ける調理方法としてご案内できるものではございません。今後、より詳細な条件などを確認していく必要があると考えていますので、研究所で検証作業を進めていければと考えております」との回答を寄せた。
かなり多くのフライパン提供があったことで、今回の検証には時間がかかる見込み。時期は未定だが、適宜経過報告を行っていく方針という。
よりよい調理法を追求する精神。同社は「当社商品はお客様の声をいただきながら、“永久改良”という言葉を全社で掲げ、商品開発を続けています。『ギョーザ』も改良をし続け今年で51年目を迎え、これまで、『おいしさ』はもちろん、生活者の皆様の立場に立って、『調理性』『使い勝手の良さ』『パッケージの見やすさ』などさまざまな改良に取り組んできました。そして、今回のフライパンの検証もその取り組みのひとつです。これからもお客様に『感動』で『笑顔』をお届けできる商品をつくっていきたいと考えています」としている。