鬼滅の“パワハラ会議”だけじゃない 漫画ファンから注目される悪の組織会議シーン

漫画作品にたびたび登場する「悪役が勢ぞろいするシーン」。まだ見ぬ新キャラが続々と登場し、今後の展開への期待感を高めてくれる場面だ。今回はジャンプ作品で特に話題となった悪役会議シーンを紹介する。

ジャンプ漫画の悪役会議シーンを紹介(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ジャンプ漫画の悪役会議シーンを紹介(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「悪役会議」シーンは魅力がたっぷり

 漫画作品にたびたび登場する「悪役が勢ぞろいするシーン」。まだ見ぬ新キャラが続々と登場し、今後の展開への期待感を高めてくれる場面だ。今回はジャンプ作品で特に話題となった悪役会議シーンを紹介する。

 1つ目に紹介するのは『BLEACH』(作:久保帯人)の「十刃(エスパーダ)勢ぞろいシーン」。十刃とは、虚(ホロウ)で構成された組織「破面(アランカル)」のトップ10人のこと。「隊長格より強い」と評された「ヴァストローデ級」と目される虚のトップ10が一同に集結するシーンは、読者から高い評価を得た。

 例を挙げると「何の説明もなしに絵だけでキャラの強さがわかる」「仕草だけでキャラが立っている」などの高評価コメントがネット上で寄せられている。この十刃が勢ぞろいするシーンは久保氏のキャラ作りのうまさを語る上で欠かせない要素となっている。

 次に紹介するシーンは、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』(作:堀井雄二、三条陸、稲田浩司)の「六大団長集結シーン」だ。六大団長とは、魔王軍を束ねる六大軍団のリーダーのことである。

 六大団長のひとりであるクロコダインを倒したダイの活躍により、魔王軍は残りの軍団長を召集。該当のシーンでは「ダイたちの実力を冷静に評価するキャラ」「同僚からも不気味がられるキャラ」など、一筋縄ではいかなそうな敵キャラが続々と登場していく。そして5人いる軍団長の内、集まったのは4人、顔を見せない最後のひとりはすでにダイたちを倒すために動き出していた……という次の展開を予感させる魅力的なヒキも用意されていた。

 ネット上では「敵キャラ紹介として非常に優秀なシーン」「敵幹部大集合回はやはりテンション上がる」などの好評の声が多く、悪役会議の魅力が詰まったシーンと言えるだろう。

 最後に紹介するのは、大ヒット作品である『鬼滅の刃』(作:吾峠呼世晴)に登場する「パワハラ会議」だ。『鬼滅の刃』の会議シーンでは、敵組織の首魁である鬼舞辻無惨の横暴さが主に描かれる。鬼舞辻無惨は非常に自分勝手な上に残酷な性格であり、都合の良くない事態が起こると部下を呼び出して制裁を与えた。

 申し開きも許さぬ問答無用の処刑っぷりに『鬼滅の刃』での悪役会議は通称「パワハラ会議」と呼ばれている。はじめの会議では呼び出した部下をひとりを除いて殺害し、2回目の会議では部下に対して散々文句を言っていたのである。

 召集した幹部集団「下弦の月」の言い分にまったく耳を貸さず、彼らを処分する無惨の姿はインパクトが強く、ネット上では「部下をただ始末するのはもったいないのでは?」「あまりの急展開に連載当時打ち切りが決まったのかと思った」などのコメントが寄せられている。敵組織の幹部が登場したと思ったら、直後にボスが始末してしまう展開は確かにあまり類を見ないだろう。

 新キャラの強さや関係性など、情報開示としても重要な役割を持つのが悪役会議。『ダイの大冒険』や『BLEACH』のように悪役幹部が勢ぞろいする王道のシーンもあれば、『鬼滅の刃』のように敵キャラのリストラに使われるユニークな描写も。悪役が次々と登場する場面では、作者の個性を楽しみながら今後の展開を予想するのも面白いかもしれない。作品の個性が発揮される、悪役勢ぞろいのシーンに今後も注目だ。

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