子役から活躍の桜田ひよりが女優として目覚めた瞬間「ここまで役に没頭したのは初めて」

俳優の桜田ひより(20)が映画『交換ウソ日記』(7月7日公開)でヒロインを演じた。櫻いいよの同名小説を映画化した青春ラブストーリー。胸キュン学園モノの映画ヒロインは初めてで、大きな発見があったと語る。子役時代から長いキャリアを持つ桜田に、ターニングポイントも聞いた。

映画『交換ウソ日記』でヒロインを演じる桜田ひより【写真:荒川祐史】
映画『交換ウソ日記』でヒロインを演じる桜田ひより【写真:荒川祐史】

小学生でもらったラブレター「めっちゃ恥ずかしい」

 俳優の桜田ひより(20)が映画『交換ウソ日記』(7月7日公開)でヒロインを演じた。櫻いいよの同名小説を映画化した青春ラブストーリー。胸キュン学園モノの映画ヒロインは初めてで、大きな発見があったと語る。子役時代から長いキャリアを持つ桜田に、ターニングポイントも聞いた。(取材・文=平辻哲也)

 子役から活躍し、『明日、ママがいない』(2014/日本テレビ系)などで注目を集め、映画『祈りの幕が下りる時』(18)、『男はつらいよ お帰り 寅さん』(19)、ドラマ『silent』(22/フジテレビ系)など話題作に出演する桜田。胸キュンの学園モノは初体験となる。

「新たな自分を発見できる場所は、新たなジャンルや意外なものに挑戦することだと思いますので、ワクワクがありました。キャストの方々も同世代の方ばかりだったので、一緒に演技するのがすごく楽しみでした。」と話す。

 桜田が演じるのは、親友(茅島みずき)宛のラブレターを受け取ったことから、学校イチのモテ男子で送り主の瀬戸山潤(高橋文哉)とヒミツの交換日記を続ける高校2年生の黒田希美。希美は本当のことを言い出せず、そのままやり取りを続けてしまう。交換日記で瀬戸山のことを知るうちに、次第に引かれていく……。

 高橋との共演シーンでは観てくださる方がいかにキュンキュンしてくれるかを第一に考えて演じていった。

「特に何もしていないときでも、終始ドキドキしましたが、演技に没頭するだけではなくて、見せ方にも気を遣っていかないといけないんだと学びました。それには、カメラアングルだったり、キラキラ輝いて見える照明があるんです。スタッフさんがいるからこそ、自分たちが輝けるんだと実感しました」

 自分の思いを隠して、瀬戸山と接していく希美とは、共通点はあるのか。

「希美ちゃんは、自分の気持ちをうまく話せない、伝えられない、もどかしさを持っています。私も人数が増えると、聞き手に回っていくところがあるので、そういうところは似ているかもしれないです。私自身は、言葉が大事だと思っているので、言葉選びには気を遣いますし、自分の思いを話すまでに時間がかかるんです。ただ、行動力は希美ちゃんよりはあるかな」

 交換日記を通して、交流する役柄だったため、撮影中は高橋とはあえて距離を取っていたそうだが、その分、高橋が気を遣ってくれたという。

「高橋さんが普段は積極的にしゃべりかけないとおっしゃっていたので、すごく頑張ってくれていたんだと思います。コミュニケーション能力がすごく高くて、誰に対してもわけ隔てなく接してくれ、自然と距離を詰めるのがすごく上手な方でした」

子役として活動を始め、多数のヒット作品にも出演してきた【写真:荒川祐史】
子役として活動を始め、多数のヒット作品にも出演してきた【写真:荒川祐史】

 交換日記は小3、4の頃に、3、4人の女の子グループでやったことはあるそうだ。

「私のときは(自身のプロフィールだけではなく、質問したり、答えを書く)プロフィール帳がはやっていたんです。クラス替えのタイミングで、みんなで回しましたが、2、3週したら、終わってしまいました。今はSNSの時代ですが、交換日記は返事を待たないといけないというのが醍醐味ですね。10代だからこそできる関係値かなと思います」

 ちなみに、ラブレターをもらった経験は? と聞くと、「小学生のときにありました。めっちゃ恥ずかしいです。手紙では返事をしないで、直接、本人に丁寧にお断りをしました」と顔を赤らめる。

 08年に子役として活動を始め、今年で15年。多数のヒット作もあるが、ターニングポイントになった作品は阿部寛主演の人気ドラマシリーズの映画版『祈りの幕が降りる時』。松嶋菜々子が演じた演出家の少女期の役を演じた。この少女期の悲しい出来事が殺人事件の引き金となる。

「何をやっていたのか分からなくなるくらい役に没頭していました。反響がすごく大きく、自分がやっていることは無意味なものではなくて、誰かの心を動かせたんだと実感できました。私は感覚的にお芝居することが多いのですが、ここまで入り込んで演じたのは初めてで、人生のきっかけにもなりました」

 主人公・目黒蓮の妹役を演じた昨年10月期のフジテレビ系ドラマ『silent』も反響も大きかったというが、SNSでエゴサーチはしない。ただ、ヘアメイク、スタイリストら自身を支えている関係者の感想は大切にしている。「今回は胸キュン映画が初めてで、新たな自分を見つけることが多かったので、次に活かせると良いなと思っています」と話す。初めてに挑戦した本作は『祈りの幕が降りる時』に続くターニングポイントになりそうだ。

□桜田ひより(さくらだ・ひより)2002年12月19日、千葉県出身。子役からキャリアを重ね、『明日、ママがいない』(14/NTV)で演技力の高さが話題となり、注目を集める。18年に『Seventeen』の専属モデルオーディションで、ミスセブンティーンに選ばれ、23年3月に卒業するまでモデルとしても活躍。22年には『卒業タイムリミット』(NHK)、『彼女、お借りします』(EX・ABC)ではヒロイン、『生き残った6人によると』(MBS・TBS)では主演を務め、話題作『silent』(CX)にも出演。主な出演作に『ワイルド・ヒーローズ』(15/NTV)、『祈りの幕が下りる時』(18)、『男はつらいよ お帰り 寅さん』(19)、映画『おそ松さん』(22)など。アニメ映画『雄獅少年/ライオン少年』(23)では声優を務める。

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