感染者ゼロ“岩手の奇跡”、米メディアも特集…地理的要因や東日本大震災などに注目
日本の47都道府県で唯一、新型コロナウイルスの感染者が確認されていない岩手県。米メディアも「100万人以上が無傷」と“岩手の奇跡”を特集している。
米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が現状をリポート
日本の47都道府県で唯一、新型コロナウイルスの感染者が確認されていない岩手県。米メディアも「100万人以上が無傷」と“岩手の奇跡”を特集している。
米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は「日本のこの地方にはコロナウイルスが存在しない」という見出しで、岩手県の現状をリポート。
「新型コロナウイルスのパンデミックから4か月目に突入し、離島や地理的に孤立した国家を除くすべての場所で感染が報告されている。多くの国家では感染が拡大し、米国のすべての州、中国の地方、イタリアの州、ブラジルの州でも感染者が出ている。日本でも感染が至る所に広がっている中、100万以上の人口を誇る1つの県が無傷だ」と報告した。
同紙では岩手について、2011年の東日本大震災では津波などで約5800人という被害者を出したと紹介した上で、感染者の少ない理由については「自然の障壁」という表現で、北上高地や奥羽山脈など地理的要因をあげている。
一方で、130万人という岩手県の人口に加え、東北地方をつなぐ拠点となる盛岡駅が存在するために、「(地理的要因だけでは)説明がつかない」とも分析している。
さらには、「東日本大震災以降、県民には危機感がある」と主張したという岩手県の新型コロナウイルス対策担当者の証言も紹介。新幹線のホームでは旅客に対する体温検査も行うなどの施策も紹介している。
140万人以上の感染者を出している米国で、「ゼロ」を維持する岩手県の施策に注目が集まっているようだ。