吉本実憂のすさまじい姉妹愛「姉は一番の憧れの人…理想の家族は私たち姉妹」

俳優・吉本実憂が演劇企画集団Jr.5の舞台『明けない夜明け』(14日初日、東京芸術劇場シアターウエスト)に出演するにあたりENCOUNTの取材に応じ、意気込みを語った。物語は、だらしない父を母が保険金目当てに殺してしまい逮捕されたという家庭環境の3姉妹を主軸に描く。吉本はしっかりものの三女・茉菜を演じる。過去と向き合いながらちゃんと生きることをテーマに描いた作品。吉本は作品にちなみ、自身の姉妹愛、理想の家族、夫婦像も紹介した。

舞台『明けない夜明け』と大好きな姉について語った吉本実憂【写真:ENCOUNT編集部】
舞台『明けない夜明け』と大好きな姉について語った吉本実憂【写真:ENCOUNT編集部】

舞台『明けない夜明け』ではしっかり者の三女、テーマはちゃんと生きる

 俳優・吉本実憂が演劇企画集団Jr.5の舞台『明けない夜明け』(14日初日、東京芸術劇場シアターウエスト)に出演するにあたりENCOUNTの取材に応じ、意気込みを語った。物語は、だらしない父を母が保険金目当てに殺してしまい逮捕されたという家庭環境の3姉妹を主軸に描く。吉本はしっかりものの三女・茉菜を演じる。過去と向き合いながらちゃんと生きることをテーマに描いた作品。吉本は作品にちなみ、自身の姉妹愛、理想の家族、夫婦像も紹介した。(取材・文=中野由喜)

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「はたから見るとケンカばかりですが、実はお互いに愛し合い、支え合って生きている3姉妹の物語です。社会を怖がり引きこもってしまう長女を尼神インター・誠子さん、本心をさらけ出さない次女を主演の小島藤子さんが演じます。私の演じる三女は、長女には社会に出たら居場所があるかもしれないと伝え、次女には本心で向き合わないと本当に信頼できる人も居場所も見つからないと伝えるしっかり者。三女が愛を持って伝えることで姉たちがどう変わるのかも見どころの一つです」

 役作りや自身との相違点を聞いてみた。

「恐怖心はありますが、いろんなことに挑戦し、試しながら、傷つきながらも居場所を見つける姿勢は似ています。私も、やらずに後悔するより、やって後悔する方を選ぶタイプ。ですから性格についての役作りは特にしていないです。ただ違うところは、三女は姉たちに厳しいこともちゃんと伝えるんです。私はそこまでできません。争いごとは好きじゃないので(笑)。この作品を機に私も家族ともっと向き合えたらいいなと思いました」

 吉本にとって本格的な舞台は今回が3回目。まだまだ女優として学ぶこともあるという。

「演出家の小野さんには、もっとエネルギーを出してと言われます。私のお芝居の仕方は、演じる人物になりきり、その人と同じ感情を心にしっかり持っていれば、それをカメラは映し出してくれるという感覚に基づいたやり方。でも舞台では場所によっては見える人と見えない人の差も出てきます。その意味で発声の仕方を含めてエネルギーが必要かと思います。でも、今はもうエネルギーに関しては言われなくなりました。今はちゃんと姉妹になることを意識しています。誠子さんには毎日お菓子を買ってきてくれて餌付けしてもらっています(笑)。ただ演じる茉菜は自立心があり達観している性格。休憩時間に姉役2人から離れてみたりもしています」

理想の夫婦像についても明かした【写真:ENCOUNT編集部】
理想の夫婦像についても明かした【写真:ENCOUNT編集部】

 6月に公開された光石研主演の映画『逃げきれた夢』では演技力の高さがネット上で話題となった。俳優としての吉本の見どころも聞いてみた。

「今回の劇場は、客席とステージの距離が近いんです。私がいつも大切にしている目のお芝居を見て感じていただけたらと思います。目で感情を表現して伝える。生で見せることもあまりないですし、この劇場ならではだと思います」

 作品では複雑な事情を抱えた姉妹が描かれるが、吉本も私生活では4歳年上の姉がいるという。将来、築きたい理想の家族を聞いてみた。すると稀有なほど強い自身の姉妹愛を明かしてくれた。

「お姉ちゃんとはケンカした記憶がないくらい仲がいいんです。お姉ちゃんの包容力のおかげですけど。優しくて仏のような人(笑)で、お料理も上手だし、運動神経もいいし、頭もよくて完璧な人なんです。私の一番の憧れの人。もし将来、結婚して子どもができたら私たちのような姉妹になってほしいなと思います(笑)。だから結婚したら子どもは、2人は欲しいですかね。理想の家族は私たち姉妹です」

 姉への尊敬の念と愛情は尽きない。

「会うといつもべたべたくっついています。姉から学んだことも多いんです。苦しい時も姉は人の手を借りず自分で立ち上がるタイプ。私もうまく生きようという気持ちではなく、自分で立てる人になりたいと思うようになりました。ほんわかしていますが芯があってブレない心を持っています。そういう姉が大好き。妹は普通、姉のお下がりを嫌がると思いますが、私は新しい物より姉のお下がりの方がいいと思っちゃう妹」

 作品では妻が夫を殺してしまったが、理想の夫婦像も尋ねた。

「女優という仕事はずっと続けたいので、それを許してくれる人がいいですね。お互いに仕事をしながらも支え合える人と一緒にいたいです。そしてお互いの仕事に必要以上に干渉しないことも必要かと思います。ただ愚痴を聞き合える仲ではいたいです。あとは笑いの絶えない夫婦がいいですね」

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