江口洋介「音楽は最高!」 35周年ライブで役者との二刀流を宣言「歌う人だって知ってもらいたい」
江口洋介が22日、東京・赤坂のビルボード東京で音楽活動35周年記念ライブを開催した。アコースティックナンバーを交えながら、『恋をした夜は』など全12曲を披露。終演後、ENCOUNTのインタビューに応じ、「これからは役者とミュージシャンの二刀流でやっていきたい」と宣言した。
ビルボード東京で音楽活動35周年記念ライブ
江口洋介が22日、東京・赤坂のビルボード東京で音楽活動35周年記念ライブを開催した。アコースティックナンバーを交えながら、『恋をした夜は』など全12曲を披露。終演後、ENCOUNTのインタビューに応じ、「これからは役者とミュージシャンの二刀流でやっていきたい」と宣言した。(取材・文=福嶋剛)
今回は2ステージ制で行われたビルボードライブ。江口は午後8時30分、セカンドステージに上がった。5月24日に開催したSpotify O-WESTと同じバンド編成。オープニングから『夢ゴコチ』『GOOD TIMES』と軽快なロックナンバーで盛り上げた。MCに入ると、しみじみと話した。
「35周年という口実を使って今までの曲を配信で解禁したり、ライブをやったり、転がっていくといろんなこともあるもんですね。今度、(フジテレビ系)『FNS歌謡祭』に(自身の楽曲での出演としては)初めて出ることが決まりました。俺も55歳。ホント、『人とのつながりが大事だな』って思う今日この頃です」
その上で、「今日はちょっといつもと違った感じで懐かしいナンバーも歌おうと思います」と言い、アコースティックギターに持ち替えた。弾き語りで聴かせたのは、1988年のデビューアルバムからタイトル曲『READY TO GO』など、しっとりとした楽曲。この後、観客にフランクに話しかけた。
「昔はよく六本木で遊んでいましたけど、最近、みなさん遊んでますか?」
返ってきたのは「今日、ライブで楽しく遊んでます!」の声。江口は思わず笑って、続けた。
「ありがとう。これが音楽ですよね。映画は見てもらって感動を共有してもらうものだけど、音楽はここでコミュニケーションが取れる。この楽しさは捨てがたいですよ。これからもそうやって音楽と付き合っていきたいと思います」
そう話すと大きな拍手が起きた。そして、前回のライブでも披露した未発売の新曲『風の街』(トライセラトップス和田唱との共作)を披露して言った。
「今日は知り合いの(テレビ局の)プロデューサーも何人か見に来てくれているみたいなので、今の歌に『グッ』ときたら、ぜひ、番組で使ってください(笑)」
客席から笑い声と拍手をもらった江口。後半は再びエレキギターを持ち、ロックナンバーを立て続けに披露。観客も最後まで立ち上がって手拍子や掛け声で盛り上げた。
アンコールに入ると、男性ファンたちが声を合わせて『35周年おめでとう!』とさけび、他の観客も大きな拍手で江口を祝福した。そのありがたい景色を眺め、江口は「ありがとう。これからも音楽を続けていきます」と笑顔であいさつ。直後、前列にいた女性ファンが「今日、誕生日なんです」と声を掛けると、即興で『ハッピーバースデー』を弾き語りでプレゼントした。アンコール1曲目の『恋をした夜は』は、そんなアットホームな空気に包まれながら歌った。
「今日はみなさんありがとうございました。またいい音楽を作ってみんなに届けたいと思ってます」
感謝を伝えた後、ファンと友人に送る『明けていく街』でライブは終了した。
終演後、楽屋を訪ねるとスッキリとした表情の江口がいた。記者を「ありがとう」の言葉で迎え、ライブの感想と今後を語った。
――35周年記念ライブを終えた感想は。
「すごく良かったです。渋谷では熱いロックで盛り上がったので、六本木はアコースティックでしっとりといこうかなって考えていたんだけど、結局、やってみるとどっちも盛り上がっちゃいましたね(笑)。特にビルボードはお客さんとの距離が近いから、お客さんの気持ち良さそうな表情を見ていると、こっちもテンションが上がりました。新曲も披露できましたし、役者だけじゃなくて音楽でも『前に進んでいるぞ』って、そういう姿をみなさんに届けられたんじゃないかなって思います」
――若い世代のバンドメンバーとの演奏でした。
「とてもエネルギッシュな演奏で昔の曲もしっくりいったし、やっぱり、今回楽しめたのはメンバーのおかげでもありますね。とても良い出会いでした」
――7月12日放送のフジテレビ系音楽特番『2023FNS歌謡祭 夏』(午後6時30分)に初出演することも発表されました。
「しばらく音楽活動から遠ざかっていたので、僕が歌っていたことを知らない世代にも『江口は歌う人なんだ』って分かってもらえたらうれしいですね」
――音楽活動の楽しさを再発見できたということでしょうか。
「もちろん。音楽は最高ですよ。昔は役者との両立が辛かったんだけど、今は音楽をやることによって、リフレッシュした気分で芝居に臨めるし、全部がプラスに作用しているので二刀流の状態が最高に気持ち良いんです。これからもうまく付き合いながら、年相応に歌っていく姿をみなさんにお見せしたいと思います」
江口洋介「BE HERE NOW~35th Anniversary~Yosuke Eguchi Live 2023」
2023年6月21日 ビルボードライブ東京(東京・赤坂)
セットリスト
01.夢ゴコチ
02.GOOD TIMES
03.READY TO GO
04.天気雨
05.うたかたのラヴ・ソング
06.LOVE MAN
07.風の街(新曲・未発表)
08.It’s Fine Today
09.逃げられた天使
10.愛は愛で
アンコール
11.恋をした夜は
12.明けていく街