俳優で歌手の福山雅治が主演を務め、俳優の大泉洋が共演するTBS系連続ドラマ『ラストマン－全盲の捜査官－』（日曜午後9時）が、26日に最終回を迎えた。41年前に起きた強盗殺人事件の悲しすぎる真実が明らかになり、視聴者からは「号泣した」といった声が挙がっている。

　同作は、脚本家・黒岩勉が描く1話完結の完全オリジナルドラマ。福山演じる全盲のFBI（アメリカ連邦捜査局）特別捜査官・皆実広見（みなみ・ひろみ）と、大泉演じる警察庁人材交流企画室の室長・護道心太朗（ごどう・しんたろう）がバディを組み、事件を解決していく。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　心太朗の実の父親で料理人の鎌田國士（津田健次郎）が41年前に起こした強盗放火殺人事件。皆実の父・誠（要潤）と母・勢津子（相武紗季）が殺害され、そのときのけがが原因で皆実は失明した。しかし皆実と心太朗は、鎌田に冤罪（えんざい）の可能性があると推測する。

　2人が事件の再捜査を始めると、当時誠が暴力団を使い違法な地上げをしており、政界のドン・弓塚敏也（石橋蓮司）や元警察庁長官の護道清二（寺尾聰）がもみ消していたことがわかった。再調査を始めた途端、当時、誠と関係のあった暴力団・南雲会幹部の池上隼人（渡辺哲）が殺害され、捜査に協力していた心太朗の義理の甥で警視庁捜査一課の護道泉（永瀬廉）が刺されてしまう。泉を刺した犯人は、心太朗が尊敬する上司で元捜査一課長の山藤憲治（金田明夫）だった。山藤は41年前の事件時に現場にかけつけていたが、心太朗に謝ると立体駐車場から飛び降り命を絶った。

“大きな力”が働き、池上や山藤の事件の捜査にストップがかかる中、皆実と心太朗は驚がくの真実にたどり着く。2人は実の兄弟だったのだ。鎌田と勢津子は同じ料亭で働き交際しており、2人で食堂を営むという夢を持っていた。しかしその仲を、上客だった誠に引き裂かれてしまう。事件は、自分の息子だと思っていた皆実が実は鎌田との子どもであることに気づいた誠が起こしたものだった。

　勢津子を殺害し、鎌田を気絶させた誠が連絡したのは、弓塚ではなく清二だった。殺害をもみ消し、鎌田に罪をかぶせるように指示する誠。従わなければ、これまで清二が多くの罪をもみ消した事実を公表するとおどす。さらに階段から落ちて倒れている幼い皆実を手にかけようとする誠。清二はとっさに灰皿で誠を殴ると、誠は亡くなってしまった。

　清二は殺人の罪とこれまでの不正を隠すために火を放ち、その場に居合わせた山藤にも口裏を合わせるように指示する。意識を取り戻した鎌田は殺人を否認していたが、心の中では皆実と心太朗の将来を思い葛藤していた。潔白を主張すれば出所して心太朗と暮らすことができるが、皆実の父親が自分であることも世間に知られてしまう。失明した皆実の今後も心配する鎌田。

　清二は、皆実の実の父が鎌田であることが明るみにならなければ、誠の両親が皆実を育ててくれることを伝える。そして自分が後見人となって心太朗を引き取り、立派に育てると約束する。我が子の未来を思い、鎌田は罪をかぶった。清二は事実を隠すため、山藤を使って池上の殺害を指示していたのだった。

　黒幕が清二であることが明らかになり、SNS上では「清二がまさかの真犯人」「護道清二の犯した罪は重すぎる」「一番やべぇ奴」と驚きの声が。また「正義の建前の下に悪事を働いたけど、結果的に子ども達は守った清二さん」という声も。

　ドラマ終盤、亡くなる直前の鎌田がかすかに意識を取り戻し、心太朗の名前を呼ぶ。そばに寄る心太朗の頭をなでると、「心太朗、腹減ってないか……」と声をかけた。父の言葉に泣き崩れる心太朗。皆実も「安心してください、私たちは幸せでした。あなたのおかげで、みんなに愛されて、生きてきました」と感謝の気持ちを伝えた。鎌田の目には涙が浮かんでいた。心太朗は父を殺人犯と憎んでいたことを後悔し、「お父さん、ごめんね」と何度も謝った。鎌田は2人に触れながら静かに息を引き取った。

　このシーンに号泣する視聴者が続出。「久しぶりにドラマ見てこんなに泣いた」「最終回ズタボロに泣いた」「大号泣でティッシュ秒で消えた」「親子3人……やっと会えた……のに。もう少し一緒にいて欲しかった」といった声が挙がっている。