プロボクシングのWBA世界スーパーフライ級（52.1キロ以下）タイトルマッチは24日、東京・大田区総合体育館で行われる。23日には都内で前日計量が行われ、前WBO同級王者でWBA6位の井岡一翔（志成）は52.0キロでクリア。王者のジョシュア・フランコ（米国）は55.2キロでオーバーした。

　王者がまさかの失態だ。笑顔も浮かべていたフランコだったが、計量台に上がった瞬間「オーバー」の声。55.2キロで3キロもリミットをオーバーしていた。その後、上がった井岡はアンダーでクリアした。フランコには2時間の猶予が与えられ、この間は何度でも再計量することができる。

　両者は昨年大みそかにWBA・WBO世界スーパーフライ級王座統一戦で対戦。フルラウンド戦った末、ドローとなっていた。その後に井岡はWBO王座を返上。ダイレクトリマッチが実現した。

　井岡を巡っては、JBCが昨年大みそかの2団体王座統一戦の際に行った尿検査の検体を1月に調べたところ、微量の大麻成分を検出したと21日に発表。濃度が世界ドーピング防止機構（WADA）の基準を超えるものではなかったため、24日のタイトル戦は予定通り開催される。これに対し、井岡サイドは「今回も、井岡の潔白を証明していく」などと反論していた。

　計量後には公式記者会見が行われ、井岡は「僕自身、今日まで非常に充実した気持ちでここまで来られました。今最高のコンディションに仕上がっています」と自信満々。「今回ダイレクトリマッチという選択をして、必ずチャンピオンにならないといけない試合。今までやってきた生き様、昨年の大みそかを超える試合をお見せしたい」と誓った。

　一方のフランコは「明日の試合はいろいろあったが、できることになったので楽しみにしています」と悪びれる様子はなく、「こうやってリマッチという舞台で戦えることをうれしく思う」と続けた。

　フランコのガルシアトレーナーは「今週さまざまな状況下の中で非常に本人もチームも厳しい状況に置かれていました。タフな状況に置かれていた。その中で今日を迎えられて2時間という中でどこまで体重を減らせるか、なかなか厳しいものがある。最大限できるだけ体重を減らせるかというところは頑張って減らしたいと思っている。ただ本人、チームが今週大変タフな状況下に置かれていた中で、本人は真摯（しんし）に取り組んできたことはご理解いただきたい」と説明した。

　試合はABEMA PPV ONLINE LIVEで独占生中継される。