水槽たたき投石も…水族館が子どもの迷惑行為に警告「イジメや遊びのオモチャじゃない」
子連れ客による悪質な迷惑行為を訴えた水族館の投稿がネット上で話題を呼んでいる。SNS上で被害を訴えたのは、昨年7月に兵庫県の複合施設「NATURE STUDIO」内にオープンしたみなとやま水族館。いったい何があったのか。同館の担当者に話を聞いた。
小学校高学年の子ども3~4人を連れた2家族ほどのグループが迷惑行為を繰り返す
子連れ客による悪質な迷惑行為を訴えた水族館の投稿がネット上で話題を呼んでいる。SNS上で被害を訴えたのは、昨年7月に兵庫県の複合施設「NATURE STUDIO」内にオープンしたみなとやま水族館。いったい何があったのか。同館の担当者に話を聞いた。
「本日はたくさんのお客様にご来館いただきましたが、悲しいこともたくさんありました。水槽のガラスを激しく叩き、魚をびっくりさせる、館内で追いかけっこをする、生きものがいる水槽に石を入れる、植栽帯の植物を引っこ抜き、FISH PONDに投げ入れるなど、他のお客様へのご迷惑、生きものに対して、心ない行為をされる方が多く見受けられました」「当館は、じっくりと生きものを観察し、生きものたちについて学ぶ場所です。みなとやまの生きものたちは、イジメのためや、遊びのオモチャになるためにいるのでありません」
今月18日、みなとやま水族館の公式アカウントが行った投稿は、8000件を超えるリツイート、1.7万件のいいねを集めるなど話題に。投稿には「残念ですね。優しい気持ちになれる場所のはずが」「こんなのお客様じゃない」「子どもだけでなく大人でもガラス叩いたりフラッシュ禁止の場所でもフラッシュを焚く人もいますもんね……」「酷(ひど)い事をする輩もいたものだ」「はっきり言って親の躾(しつけ)の問題なのではと思います」「お金さえ払えば何してもいいと思っている人が多すぎる」「威力業務妨害やん…」と憤りの声が多数寄せられている。
投稿の反響を受け、同館公式アカウントは20日、「当館では、作業の合間にスタッフが館内を巡回しております。館内を走る、水槽を叩く、手を入れてはいけない水槽に手を入れる、登ってはいけないところに登る等、生きものにとってストレスとなる恐れがある行為、他のお客様の観覧の妨げになる行為、お客様ご自身がお怪我をされる恐れがある行為は、その都度、注意をさせていただいております」と対応について説明。
その上で「しかしながら、何度注意申し上げても、行為をやめていただけない場合、また、あまりにも悪質と判断した場合は、苦渋の選択ではありますが、ご退館をお願いすることもございます。本音を申し上げますと、私たちは、お客様とは注意という形ではなく、お客様の生きものに対する興味や発見によって湧いた疑問にお答えしたり、彼らの素晴らしさについてお伝えし、語り合ったりしたいのです。今後も、生きものたちやお客様が、快適に過ごせるよう、一層努力してまいります」と苦しい胸中をつづっている。
一連の投稿の経緯について、同館の担当者は「今回が初めてというわけではなく、開館当初から同じようなことは何度かありました。その中でも今回は再三注意をしても迷惑な行為が絶えなかったため、これは一文出す必要があると思い投稿しました」。小学校高学年の子ども3~4人を連れた2家族ほどのグループが迷惑行為を繰り返していたといい、「ご家族の方も近くにいらっしゃいましたが、残念ながら注意していただくことはなかった。お子様ご本人も理解できる年齢だと思い、直接注意させていただきましたが、あまり聞き入れてはいただけず……。全部で10回ほどは注意をいたしました」と語る。
過去にも石を投げ込まれ、10匹ほどのメダカがストレスで全滅したり、餌と間違え誤飲したニジマスの腹の中から大量の小石が見つかったこともあったという。同館の担当者は「水族館では、生き物たちの世界に我々人間がお邪魔させていただいている立場。他のお客様のご迷惑となるだけでなく、生き物の命にも関わることなのだと深く考えていただけたら」と話している。