安藤サクラ、『怪物』の“怖いかも”評に悩む 是枝監督「ホラーじゃないですよ」とお墨付き

俳優の安藤サクラが19日、都内で行われた映画『怪物』の大ヒット御礼舞台あいさつに永山瑛太、是枝裕和監督とともに登壇した。「質問が一個あって……」と切り出し、本作にまつわる悩みを明かした。

舞台あいさつに登壇した安藤サクラ【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに登壇した安藤サクラ【写真:ENCOUNT編集部】

「皆で『怪物』について考えたら、すごい面白そうだな、と最近思います」

 俳優の安藤サクラが19日、都内で行われた映画『怪物』の大ヒット御礼舞台あいさつに永山瑛太、是枝裕和監督とともに登壇した。「質問が一個あって……」と切り出し、本作にまつわる悩みを明かした。

 安藤は「この間も喫茶店で、隣にいた奥様が『怪物、見たいんだけど怖そうで、怖い気持ちになったら嫌だから行けてない』っていうことをおっしゃっていた。私のインスタグラムにも『ホラーですか?』と質問がある」と話し、「そのとき『違います、ホラーじゃないです、怖くないです』くらいまでいって、ある意味怖いな~、と思った(笑)。何と言ったらいいんだろう! 何を怖がっていらっしゃるかがわからない」と切実な悩みを吐露した。

 これを受けて是枝監督は「たぶんその方は、予告編で鼻血がポトンと垂れるのからイメージしている怖さがあると思う。サクラさんが言っている、人間とか社会とかの怖さみたいな怖さとは言っていないと思う。『怖くないですよ』で(いい)。『ホラーじゃないですよ』でいいかもしれないですね」と意見。

 安藤は「『苦しい気持ちになりたくない』とおっしゃっていたので、そのとき言っちゃったのが『ご自身で感じることがあるならば、もしかしたら何か苦しい気持ちになることも(あるかもしれない)。ご自身次第かも』みたいに言っちゃった」と振り返り、「『怖くないですよ』で大丈夫ですかね?」と確認すると、是枝監督に「『ホラーじゃないですよ』」とニッコリ。

 続けて安藤は「まだご覧になってない方が近くにいらっしゃったら、『ホラーじゃないですよ』という言葉を添えて、すすめてください。皆で『怪物』について考えたら、すごい面白そうだな、と最近思います」と観客に提案した。

 同作は、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールを獲得した是枝監督、映画『花束みたいな恋をした』やドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』などの脚本を手がけた坂元裕二氏、そして音楽の坂本龍一氏と映画界のレジェンドたちが集結。大きな湖がある郊外の町を舞台に、息子を愛するシングルマザー、生徒思いの教師、無邪気な子どもたち、さまざまな登場人物の食い違う主張が社会やメディアを巻き込み、大事になっていく……というストーリーが展開される。主演は安藤、永山、黒川想矢、柊木陽太の4名。また、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて脚本賞を受賞している。

 国内では観客動員数90万人、興行収入12.3億円を突破(6月19日現在)。シリアスなテーマを扱った作品としては、異例のヒットを記録し、動員100万人超えも視野に入れている。

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