旅先のレストランで心温まるサービス 「これが運ばれてきて泣いた」 食物アレルギーの子どもは笑顔に
食物アレルギーを持った子どもと宿泊するホテルのレストランを訪れたところ、思わぬサービスを受けたとするツイートが話題になっている。事前にお願いしていたアレルギー対応の食事を食べ終えたところで気づいた、デザートのこと。「フルーツなら食べられるかも」と席を立とうとしたら、待っていたのは心温まるおもてなしだった。投稿した2児の母・あずさ兎(@azusausagi)さんに詳細を聞いた。
生後5か月でアレルギー症状 ケーキを食べる長男を見て羨ましがる次男
食物アレルギーを持った子どもと宿泊するホテルのレストランを訪れたところ、思わぬサービスを受けたとするツイートが話題になっている。事前にお願いしていたアレルギー対応の食事を食べ終えたところで気づいた、デザートのこと。「フルーツなら食べられるかも」と席を立とうとしたら、待っていたのは心温まるおもてなしだった。投稿した2児の母・あずさ兎(@azusausagi)さんに詳細を聞いた。
「次男は食物アレルギー。旅先で症状が出ると怖いので、ブッフェで事前に対応プレートをオーダー。でも、デザートまでは考えてなかった。ケーキを食べる長男を見て羨ましがる次男。フルーツなら食べられるかも、と席を立とうとした瞬間…『今日は楽にしてください』と、これが運ばれてきて泣いた」
あずさ兎さんが、感激のコメントとともに、次男のテーブルの前に運ばれたデザートプレートの写真を投稿すると、5.3万件のいいね、3800件のリツイート、1152万件の閲覧回数を記録。「これは涙が出ちゃう対応ですね」「こういう心遣いのある一言は本当にカッコいいと思います」「めっちゃ豪華!素敵な気遣いですね」「『今日は楽にして下さい』の言葉がセンスあるわ」の声が寄せられるなど、大きな反響を呼んだ。
あずさ兎さんが家族4人で長野・茅野市内のリゾートホテルを訪れたのは先月のことだった。5歳の次男は、乳や卵に対するアレルギーを持っており、食事においては注意が必要だった。
デザートのことまで頭が回らず、今まさにフルーツを取りにいこうとしたところ、突然運ばれてきたプレート。新鮮なフルーツや色とりどりのスイーツ、甘味などバラエティーに富んでおり、体に配慮しているだけでなく、見ているだけでも楽しい。何よりも、「今日は楽にしてください」との声がけが、心に響いた。
次男は、「プレートに乗っているデザートをまさか全部食べられるとは思わなかったようで、驚きつつ、どれにしようと迷いながら食べていました。普段は、食べられるものがあったとしても消去法でしか選べないので、『迷える』ということがうれしそうでした」と、喜びを隠せない様子だったという。
生後5か月のとき、次男にアレルギーがあることが分かった。離乳食を食べたことがきっかけだった。
「普段の食事作りは本当に気を使います。ただでさえ、子育て中は大変なので、『冷凍食品やお惣菜を活用しましょう』とアドバイスされることもよくあるのですが、この手が使えない。近くの何軒かのスーパーで、食べられるのは1種類の冷凍唐揚げだけです」と、食べられるものは本当に限られている。
これが旅行になると、一層ハードルは上がる。
「旅行では、カフェやレストランにふらっと入ることができないので、事前にホテルのレストランを予約し、特別食をオーダーすることが多いです。コンビニが少ない地域への旅行では、出発前に手作りの食事を冷凍し、ホテル宛にクール宅急便で送ったこともありました」。涙ぐましい努力を続けてきた。
今回、レストランのホスピタリティーには、ほかにも感激したことがあった。
「ツイートしたエピソードが起こる直前、自分のお料理を選びながら、『おしょうゆがないな』と思って探していたんです。すると、ウエーターさんが、『何かお探しですか?』と聞いてくれました。ブッフェなので、きょろきょろしているのって不思議なことじゃないですよね。どうして分かったんだろう、と驚きました。私の行動を読んで声をかけてくださったんだろうと思います」と、細やかな心配りに感謝した。
投稿が話題になり、アレルギーを持つ子どもの育児や生活ぶりを多くの人に知ってもらうことができた。
「私と同じように、子どものアレルギー対応に奮闘している人からの声がたくさん届き、とても心強く感じました。アレルギーのあるなしにかかわらず、幼児連れの旅行って、『癒し』や『リフレッシュ』よりも、『サバイバル』みたいな面が強かったりするんですよね。こういう声がけをしてもらえることが、どんなにうれしいか。そこに共感してくれる方がたくさんいて、旅行の思い出がますますすてきなものになりました」と、振り返った。