【どうする家康】有村架純、瀬名は「今までと違う役に出会えた」 ラスト描いた台本に涙

女優・有村架純が主人公・徳川家康(松本潤)の妻・瀬名を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)について取材に応じ、7月2日放送の第25回で描かれた瀬名の死を演じた思いや松本が演じる家康の魅力などを明かした。

家康(松本潤)と瀬名(有村架純)【写真:(C)NHK】
家康(松本潤)と瀬名(有村架純)【写真:(C)NHK】

家康の妻・瀬名を熱演 松本潤の演じる家康に「人間として愛おしいキャラ」

 女優・有村架純が主人公・徳川家康(松本潤)の妻・瀬名を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』(日曜午後8時)について取材に応じ、7月2日放送の第25回で描かれた瀬名の死を演じた思いや松本が演じる家康の魅力などを明かした。

 まずは自害という形で家康との別れが描かれた第25回。「台本を読んだ時に涙が出てきて自分でもびっくりしました」と話したが、涙の最大の要因はどこだろう。

「家康と過ごした日々とか、瀬名の気持ちはどうだったのかとか、本当の、と言うと違うかもしれませんが、本当の瀬名に思いをはせながら台本を読んだ時、グッとくるものがありました」

 築山事件の撮影が迫ってきた当時の心境も明かしてくれた。

「いよいよ来たとドキドキしていました。あっという間にその時が来てしまったので、私も心して挑まないと、という緊張がありました。構えて現場に入りました」

 脚本家・古沢良太氏は、自身が描く瀬名は現代の女性に近いかもしれないと話していた。

「戦国時代と現代をうまく結ぶ役割を担わせていただいているのかなと私は勝手に解釈していたので、どこまで重みをもたせ、どこまで軽やかに見せるかというバランスが課題でした。毎回それを探って役に向き合いましたが、すべてを受け止める縁の下の力持ちではないですが、そんな女性に出会えて、私の中で今まで演じた役とは違う役に出会えたという実感があります。30歳という節目で大河ドラマに初めて出演でき、振り返った時に必ず思い出す作品になったと思っています」

 瀬名を長い間演じ、影響を受けたことや感じたことはあるだろうか。

「穏やかでいることの強さ。本当の強さとは穏やかでいることなのかなと思いました。目の前にある状況とか、どんなことがあっても穏やかにいようとする心がすでに強いというか。私はそこまでまだ……」

 撮影をすべて終えた心境も聞いた。

「最後のシーンを撮り終えた時、達成感というか、築山殿という女性が報われたらいいなという気持ちになりました。最後は自害しましたが、この作品では、家康と信康(細田佳央太)、世のすべてに対して思いをはせながら自分で選んだ結末が自害だったので、きっと恨みつらみという感情があったとしても、ごくわずかだったのではないかと思います。無事に撮影を終えられたことでほっとしました」

 ここで松本が演じる家康の魅力を尋ねてみた。

「こんなに感情豊かな武将を大河ドラマで見たことがありません。泣く時はものすごく泣くし、うれしい時はすごくうれしそう。何かをごまかしたい時はごまかしたいことが、だだ漏れしている素直さとか、人間として愛おしいキャラクターを松本さんがしっかり演じているので、こんなに素直な家康は見たことがないです」

 これからも撮影が続く松本に声をかけるならどんな言葉だろう。

「この先、瀬名がいなくなってから殿がどう変化していくか楽しみです。松本さんは瀬名との別れのシーンを撮ってから力が入らない、抜け殻みたいになっているとおっしゃっていました。松本さんにとっては、ここから次の章が始まるというところだったので、私が大河を卒業した後にどんなふうに現場に立って取り組んでいるのか心配というか、大丈夫かなと思っていますが、何とか家康とともにまた立ち上がって平和な世を目指してほしいなと思います」

 瀬名と家康の夫婦像を通して視聴者に届けたい思いも明かした。

「死と隣り合わせの時代で命の重さや深刻さは必要だと思います。私もそこは基盤に置いておかなければと思って演じました。でも、瀬名と家康の空気感は、お互いが安心して暮らせる家、その家族という今の私たちが求める形と似ているなと思っています。人に心がある以上、きっと誰かを愛おしく思ったり、大事に思ったりする普遍的なものが、どんな時代にもあったという事実がこの物語の中で描いていけたかなと思っています」

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