【風間公親-教場0-】問題刑事・“中込”が過去と向き合う 視聴者喜び「言葉にできてよかった」
俳優の木村拓哉が主演を務めるフジテレビ系連続ドラマ『風間公親-教場0-』(月曜午後9時)の第10話が、12日に放送された。今回は、染谷将太演じる新人刑事・中込兼児が自身の過去と向き合った。
風間と握手を交わすラストシーンに「まるで別人のよう」
俳優の木村拓哉が主演を務めるフジテレビ系連続ドラマ『風間公親-教場0-』(月曜午後9時)の第10話が、12日に放送された。今回は、染谷将太演じる新人刑事・中込兼児が自身の過去と向き合った。
同作は、2020、21年に新春SPドラマとして放送された『教場』『教場II』シリーズの連続ドラマ。キャリアの浅い若手刑事が、木村演じる冷徹で“最恐”の教官・風間公親(かざま・きみちか)とバディを組まされ、実際の殺人現場で捜査の基本をたたき込まれていく。
(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)
風間のもとにやって来た新人の中込は、風間や先輩刑事、被疑者にも悪態をつき、すぐに手が出そうになる問題刑事だった。
そんな中込は家庭で問題を抱えていた。自宅には認知症の母親・ふき(余貴美子)がおり、妻の明子(大西礼芳)は介護に疲れ果てていた。ふきは中込に向かって何度も「息子は、どこにいますか?」と聞き、家庭の空気は重苦しい。
風間は中込を呼び出すと、暴力的な原因が家庭状況だけでなく過去に関係していると詰め寄る。「小さいとき、君は事件に巻き込まれたことがある。誘拐事件だ」と風間が伝えた瞬間、中込の目は泳ぎ、息が荒くなるのだった。中込は4歳の頃に誘拐された犯罪被害者だった。
そんな中、風間と中込は変死体が発見された現場に臨場する。死亡したのは72歳の仁谷清香(竹下景子)。発見者は22歳年下の夫でデザイナーの継秀(岡田義徳)だった。水曜日の夜、継秀が打合せの会食から戻ると、清香が電話機の近く倒れていたという。調理中だったようで、フライパンの中でアルミホイル上のサワラが焦げて炭化していた。清香は1年ほど前から認知症を患っていた。家の中には清香のためにさまざまな注意書きが貼られており、中込はふきのことを思い出す。
介護疲れから家を飛び出していた明子が戻って来ると、中込は介護を任せきりにしていたことを謝った。ある木曜日、中込が自宅に戻るとふきが徘徊(はいかい)していた。繁華街で「息子はどこですか」と聞いてまわるふき。明子はふきが毎週木曜日だけ、同じ繁華街に向かうと告げる。
清香の死亡原因や自宅の状況から、中込は継秀が認知症による事故と見せかけて殺害したことを確信する。毎週水曜日に清香が必ず鰆を買い、サワラのホイル焼きを作っていたことや、途中で何かを頼まれるとその前にしていたことを忘れてしまうことから、継秀がその習慣や病状を利用して鰆が焼けた状態のままになるように仕向けたと説明する。
すべて推測だと指摘する継秀に、中込は自分の母も毎週木曜日に徘徊(はいかい)すると伝えた。そして「俺は誘拐されたことがあるんです」と自ら語り始める。「家の前で遊んでたら、近所の男にさらわれて身代金を要求されました。母は指示通りお金を持って、繁華街の広場に立ちました。男が現れて警察が逮捕した。俺も保護されました。よく覚えてないけど」と言葉を濁す中込。
しかし風間から話を続けるよう詰められると、戸惑いながらも「とても……怖かったよ。もう家に帰れない。母とも会えない。そのときの恐怖のようなものが気持ちの底におもりのように残ってる」と吐き出した。
中込は継秀に向かい、母親が今でも身代金を渡した木曜日に自分を探しに繁華街へ行くと伝える。そして清香が水曜日に鰆を焼くのは、サワラを焼いた日に婚約指輪を無くしてしまい、無くした場所を思い出すために同じ行動をとっていたと伝えた。さらに清香は、継秀の殺意がわかった上で、証拠となる留守番電話のメッセージを自ら消去していたことも明かした。状況証拠しかない中、中込は継秀を自供に追い込んだ。
事件解決後、中込は「ずるいですよ指導官。犯人を前にして俺のカウンセリングなんか」と伝える。そして「気持ちを言葉にできたので、これからは感情をコントロールできます」と宣言した。風間は、被害者の経験があるからこそ「犯人を許さない気持ち」を事件だけに向けるよう伝えた。風間と握手を交わした中込は、しっかり前を見据え、「ありがとうございました」と頭を下げた。
過去に向きあった中込にSNS上では、「自分の気持ちを言葉にできてよかった」「反抗的でイライラしていた中込が、最後は別人のようにキリッとなった!」「中込刑事の心と家族には光の兆しが見えて良かった」といった声が挙がっている。