ジャニーズ事務所“専門家チーム”座長「非常に深刻な問題」 元検事総長の林真琴氏が見解明かす

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(享年87)の性加害疑惑問題をめぐり、新たに組織された「外部専門家による再発防止特別チーム」が12日、都内で記者会見を行った。座長を務める元検事総長の林真琴氏が就任理由を明かした。同問題に関する会見は初めて。

元検事総長の林真琴氏が就任理由を明かした【写真:徳原隆元】
元検事総長の林真琴氏が就任理由を明かした【写真:徳原隆元】

「この名称で名乗ることに問題はないかなと思います」

 ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(享年87)の性加害疑惑問題をめぐり、新たに組織された「外部専門家による再発防止特別チーム」が12日、都内で記者会見を行った。座長を務める元検事総長の林真琴氏が就任理由を明かした。同問題に関する会見は初めて。

 特別チームは林氏、精神科医の飛鳥井望氏のほか、「性加害等の被害者支援の実践を行われている臨床心理の研究者」(現時点で非公表)の3人で構成されている。すでに5月29日に第1回会合を開き、活動を始めていることを公表した。

 質疑応答で、「なぜ『第三者委員会』を設置しないのか」という質問が飛んだ。

 林氏は「今回、私たちは外部の独立した有識者で構成されていまして、独立した形で調査・提言を行います。私たちは第三者委員会であると受け取ってもらっても、差し支えないと思います」と回答。

 今回の特別チームの名称についても言及し、「一方で、なぜ第三者委員会という名前を付けていないのか。これに関しては、その点については、いわゆる過去にも第三者委員会が作られていましたが、必ずしも第三者委員会と名乗る必要はないと思います。たまたま今回、『外部専門家による再発防止特別チーム』という名前になりましたが、これはジャニーズ事務所側が設定した名前です。それを受けて私たちとしましても、実際に活動内容を端的に表していると思いますので、この名称で名乗ることに問題はないかなと思います」と述べた。

 また、日弁連のガイドラインを踏まえて活動していく方針であることを強調した。

 林氏は検事のエキスパートとして実績を挙げ、検察のトップにまでのぼり詰めた経歴を誇る。1983年に検事を任官。東京地検特別捜査部検事、東京高検検事長、検事総長などを歴任した。法務省刑事局長など法務省勤務も長く、検察改革や刑事法の改正に取り組んできた。2022年に検事を退官し、現在は弁護士。

 大きな注目を浴び、社会問題を検証していく難しい役割を引き受けた理由とは。ジャニーズ事務所が公式サイトで見解を公表した5月14日からしばらくたってから、別の弁護士から打診を受けたことを明かした。そのうえで、「就任を受けた私なりの理由については、今回私はこういった問題は非常に深刻な問題だなと。それまでのメディア報道で事実が明らかになってからそのように感じていました。こういった深刻な問題が二度と起きないような体制を作り、ガバナンス改善を行ってほしいと言われまして、やはり社会的な意義を考えれば、私が誰かを紹介するのではなく、私自身が引き受ける。このように考えました」と説明した。

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