熊を猫にしてみたら…「これなら思わず買って帰っちゃいますね」 愛らしい作風は中国でも人気に
北海道を代表する民芸品・木彫り熊。勇ましい四つ這い姿、鮭をくわえているデザインなどさまざまあり、定番土産として親しまれている。SNSでは、職人たちが高度な技術を注いだ木彫り熊をヒントにした、かわいらしい作品に熱い視線が注がれた。4.1万件ものいいねを集めた木彫りの“猫”について、制作した作家の花房さくら(@hanafusa_sakura)さんに聞いた。
7月には中国で個展 作品集の販売も
北海道を代表する民芸品・木彫り熊。勇ましい四つ這い姿、鮭をくわえているデザインなどさまざまあり、定番土産として親しまれている。SNSでは、職人たちが高度な技術を注いだ木彫り熊をヒントにした、かわいらしい作品に熱い視線が注がれた。4.1万件ものいいねを集めた木彫りの“猫”について、制作した作家の花房さくら(@hanafusa_sakura)さんに聞いた。
大正時代に八雲町で生まれた木彫りの熊。北海道土産として親しまれおり「おじいちゃんの家の玄関や、テレビの上に飾られていたのを見たことある!」という人も多いのでは? 彫刻家の花房さくらさんもその1人。ある日「ほら、あの、北海道でよく見るカッコいいお土産のあれ!! \\ 魚はシシャモかな?//」というコメント共に手作りした木彫りの“猫”の写真を2枚投稿した。
魚をくわえた猫の姿に写真を目にした人からは、「あ! サザエさんの歌のやつや」「ほしい」など思い思いの反応が。キリッとした眼差しが印象に残った人からは「魚は絶対に渡さない強い意志を感じます」「眼光鋭くてかっこいい」などさまざまな感想が集まった。
大好きなチョコレートをエネルギーに、木で猫を彫ることをライフワークにしている花房さん。魚をくわえた猫の作品は「毎日、制作過程や完成した作品をアップすることを日課にしており、その一環で投稿しました」と教えてくれた。
現在の制作テーマは「旅」。花房さんは「旅といったらお土産ということで、代表的なお土産である木彫の熊をモチーフに作品を作りました」とアイデアが生まれた経緯を説明してくれた。クスノキを材料に、3日ほどかけて完成したそう。頭に浮かんだイメージを形にするまで、今回は特に困難なことはなく、スムーズに進行したと明かしてくれた。
「鮭熊ならぬ、ししゃも猫? 鮭熊は買わないですが、これなら思わず買って帰っちゃいますね」と、ユニークな発想には4.1万件ものいいねが寄せられた。花房さんは「思いの外、反響が大きくて驚いています。『かわいい』『ほしい』などのうれしいお言葉が多くて制作の励みになります!」と笑顔に。今後は「祭り、サーカス、遊園地など、作りたいテーマが大渋滞しています。見る人が元気になったり、笑顔になったりするものを作りたいです!」とアイデアは無限のようだ。
元々クレイアニメが好きで、その延長で立体全般に興味を持ち、彫刻にたどり着いたという花房さん。7月には中国・北京で個展を予定しており、その人気は国境も超えているよう。7月27日には初の作品集『花房さくら木彫作品集2014~2023 毎日が猫の日』(実業之日本社刊)を上梓する。