出張先で間違えて降りた無人駅は異空間? 「地下ダンジョンへの入り口」とネット騒然 実在の地下通路

見知らぬ土地で間違えて乗ってしまった電車。誤りに気付いて降りた無人駅で目にした地下道が、SNSで話題になっている。「昼間で良かったけど、夜なら泣いてた」と本音をもらした投稿者に状況について聞いた。

九州旅客鉄道・日豊本線の西屋敷駅の改札に続く階段【写真:ツイッター(@gokusai_pen)より】
九州旅客鉄道・日豊本線の西屋敷駅の改札に続く階段【写真:ツイッター(@gokusai_pen)より】

虫だらけの待合室 列車が来るまで40分、1人きりでした…

 見知らぬ土地で間違えて乗ってしまった電車。誤りに気付いて降りた無人駅で目にした地下道が、SNSで話題になっている。「昼間で良かったけど、夜なら泣いてた」と本音をもらした投稿者に状況について聞いた。

「出張中なんだけど乗る電車と降りる駅全て間違えるミラクル起こして謎の駅にいます。これは無人の改札です(ガチ)」という文章と共に投稿されたのは1枚の写真。地下へと続く石造りの階段はこけむしており、通路内の様子も分かりにくい。昼でも進む足を止めてしまいそうだ。

 悲痛な叫びと写真を目にした人からは「ちょっと勇気いりますね」「地下ダンジョンへの入り口」「駅!!??? 降りるのめっちゃ怖いです」「迷宮入りしそう。無事の帰宅を祈ります」など同情の声が多く寄せられた。

 Gokusai_Studio(@gokusai_pen)さんが降り立ったのは、大分・宇佐市を走る九州旅客鉄道(JR九州)日豊本線の西屋敷駅。駅舎はなく、上下2本あるホームは離れているため、地下道を使って行き来するという。

 Gokusai_Studioさんは「明らかに物珍しい場所だったのと、普通は絶対に通らないし見かけない駅だったので反応あるかなーと思いました」と投稿した経緯を説明。「仕事の出張で大分から東中津駅に向かってたのですが、特急ソニックから柳ヶ浦で普通列車に乗り換えて向かう予定が、誤って逆方向の列車に乗ってしまい、焦って降りたのがこの駅でした」と状況を教えてくれた。

 焦って降りた後、反対側に向かう列車に乗るホームは見えるけれど、地上に階段などが見当たらずウロウロしていたそう。「画像の階段を見かけたときは、『まさかここじゃないだろう』とさらに、うろついたんですが、ここしかなかったので諦めて入りました(笑)。出口はこちらみたいな看板もなかったので、できれば(入ることを)遠慮願いたかったです」と心細かった様子を明かした。

 意を決して通路に入り、薄暗い通路を抜けると、中津方面に向かう電車が停車するホームに到着。安堵(あんど)したGokusai_Studioさんは「次の電車まで約40分ほどあったので、仕事に遅れる旨を会社の人に報告し、『無人駅で途方に暮れていると伝え、あとは野ざらしの待合いで何もない景色を眺めてました。季節がら虫が多かったです」と話してくれた。待っている間は、上りも下りも誰も来なかったという。

 15万人がいいねをする大反響の中には、昨年公開されたホラー映画『きさらぎ駅』(永江二朗監督)のようという声も集まった。映画はインターネット掲示板「2ちゃんねる」に掲載された都市伝説をもとに、異世界をさまよう女子大生の様子を描いた作品。「異世界転身ですね」などの返信を見て映画を知ったGokusai_Studioさんは、「調べてみたらそのままの駅だったのが面白かったです。夜1人で降りてたらたぶん泣いてました(笑)」と本音を吐露した。

 Gokusai_Studioさんのアカウントでは、本業にしているアート作品も多数公開している。「アナログのペン画で制作してるのですが、細密画と呼ばれるジャンルでより細かく美しくをテーマに制作しています。現在はNFTアート(デジタルアートの1種)と呼ばれるジャンルに携わっていてそこをメーンに活動しています」とコメント。販売も行っている。

次のページへ (2/2) 【写真】西屋敷駅につながる地下道、無人のホーム
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