【らんまん】伊礼彼方が気付かない高藤との共通点「人を好きになるとガツガツいくみたい」
俳優・伊礼彼方が高藤雅修役で出演するNHKの連続テレビ小説『らんまん』(月~土曜、午前8時)について取材に応じ、朝ドラ初出演の感想や高藤と自身の共通点などを語った。江戸末期に生まれ、激動の時代に、草花を愛し、夢に向かって人生をまっすぐに歩んだ植物学者・槙野万太郎(神木隆之介)の生涯を描くオリジナル作品。高藤は元薩摩藩の実業家で、寿恵子(浜辺美波)に思いを寄せる万太郎の恋敵という設定。
万太郎の恋敵で寿恵子に思いを寄せる元薩摩藩の実業家・高藤雅修を熱演
俳優・伊礼彼方が高藤雅修役で出演するNHKの連続テレビ小説『らんまん』(月~土曜、午前8時)について取材に応じ、朝ドラ初出演の感想や高藤と自身の共通点などを語った。
江戸末期に生まれ、激動の時代に、草花を愛し、夢に向かって人生をまっすぐに歩んだ植物学者・槙野万太郎(神木隆之介)の生涯を描くオリジナル作品。高藤は元薩摩藩の実業家で、寿恵子(浜辺美波)に思いを寄せる万太郎の恋敵という設定。
伊礼はミュージカルなど舞台を中心に活動し、映像作品の出演は少ない。朝ドラ出演が決まった際はどんな思いだったのか。
「俳優なら大河ドラマや朝ドラ出演は夢。出演が決まったときはめちゃくちゃうれしかったですね。飛び跳ねました。実は数年前から映像の仕事をやりたいという思いがありました。舞台をずっとやっていると表現の幅に限界を感じることがありましたから。もう一つ上のステップに行きたいという俳優としての思い。願えば叶うものですね」
高藤は薩摩ことばを使う。巧みに使いこなしているように感じる。
「方言は生まれて初めてです。舞台の仕事では貴族やクズの役が多く、方言を使ったことはありませんでした。覚えるために1か月近くかかりました。方言指導の先生が言うには、ミュージカル俳優は耳がいいので過去に指導した方々はみんな上手だったそうで、『伊礼さんも大丈夫ですよ』とプレッシャーを与えられました(笑)。ですが、最初は地獄かと思いました。どうやって覚えたらいいのかと。でも譜面をよむような感じでしたかね。耳がいいのは僕も自負していましたから(笑)」
高藤が寿恵子に積極的にアプローチするシーンが目立つが、寿恵子とのダンスシーンのエピソードや演じる浜辺美波の印象も聞いた。
「ミュージカル俳優同士は初対面でも劇中、スキンシップがあるのでオープンマインドなんですけど、そうでない方は、最初は躊躇するんです。だから浜辺さんも最初はすごくシャイな方という印象でした。話しかけても、緊張されてたのか口数少ない感じで(笑)。距離をはかりながらやっていましたが、ふたを開けたら、ものすごくしゃべる方でびっくりしました。最終的には高藤をヤバ藤と言っていました。『ガンガン来ますよね、高藤って。本当にヤバ藤ですよね』と。かわいらしいオープンな方だと後々、分かりました(笑)」
ここで台本を受け取った際の感想も聞いてみた。舞台の台本は最初から最後まで内容が書いてあるが連続ドラマは違う。
「前後が分からないんです。読んでいくと、悪役的というかスパイスを与える役だろうとは想像できました。スキンシップが多いし、この時代の薩摩の人の割には西洋かぶれで、ガンガン触れて手の甲にはキスするし、ダンスはするし。私にこの役が来た理由が何となく分かりました。ありがたい気持ちで読みました(笑)」
そこで高藤と自身が重なる部分を尋ねてみた。
「自分では気づかないんですけど、人を好きになるとガツガツいくみたいです。僕はそのつもりはないのですが、周りから見ると明らかに出ていくみたいです。自分では認めていないですが、多分、共通点はそこにあるのかと思います(笑)」
結局、高藤はいい人なのか、嫌な人なのか。
「僕はよく悪役とか恋敵やクズを演じますが、正義のヒーローより大好きなんです。演じる上で大事にしているのは悪い人には悪い人なりの正義があるということ。そこがしっかりしていないと薄っぺらになります。それは避けたい。この作品でも高藤は万太郎の恋敵ではありますが、高藤が初めて本当の恋をした設定にしています。一つのスパイスとして高藤なりの正義をしっかり持とうと考えました」
今後、ドラマで演じてみたい役はあるだろうか。
「ミュージカル界でクズ役と言えば伊礼彼方です。ドラマでも作っていけたらと思う一方、優しい父親役もやってみたいです。先に優しい役をやってしまうと好印象が先立ち、悪いことをしたらギャップでたたかれそうなので、先に悪い方をやってから父親役をやりたいです。最終的にはいい人でいたいので(笑)」
最後に視聴者にメッセージ。
「僕は高藤に愛情を持っていますが、視聴者からするとダメな男だと思うんですよ。だから優しい目で見守ってほしいですね。個人的には、万太郎と寿恵子が結ばれる起爆剤的なきっかけになることを目的に演じています。ドラマ的にそうやって盛り上がれば僕の役割は全うできたということなので」