芸能界引退から半年でスピード復帰 やのほのかの心を動かした言葉「やらない方が後悔する」

2022年9月末にアイドルグループを卒業したやのほのか(23)が、新たな夢に向かって再び走り出した。1度は芸能界引退を決断するも、わずか半年での復帰。さまざまな葛藤を抱えながらも再始動を選択した彼女の胸の内に迫った。

“再スタート”への思いを語ったやのほのか【写真:ENCOUNT編集部】
“再スタート”への思いを語ったやのほのか【写真:ENCOUNT編集部】

「アイドル人生はやりきった」との思いで一時は芸能界を引退

 2022年9月末にアイドルグループを卒業したやのほのか(23)が、新たな夢に向かって再び走り出した。1度は芸能界引退を決断するも、わずか半年での復帰。さまざまな葛藤を抱えながらも再始動を選択した彼女の胸の内に迫った。(取材・文=中村彰洋)

 17年からの約5年半、アイドルとしての活動を全うしたやの。「アイドル人生はやりきった」との思いで、卒業と同時に芸能界引退も宣言していた。

「5年半のアイドル活動の中で達成感がありました。やりきったという思いが強く、卒業を決断しました。卒業後の進路は何も決まっていなかったけど、漠然とまったく違うお仕事をしてみたいなと思っていました。母親やいとこが自分のお店を持っていたこともあって、私も将来的には地元・広島で飲食店を開きたいなって。当時は芸能界への未練は1ミリもなかったですね」

 そこから約半年というわずかな時間ではあったものの、やのが自身と向き合う期間としては十分な時間だった。休養期間は家族との時間を過ごしたり、趣味の温泉・サウナ巡りに出掛けたりとゆったりとした日々を送った。一方で、SNSなどを通じてファンとの交流も続けていた。

「卒業してからの期間でアイドル活動中とは違う気持ちが芽生えてきました。休止中もファンイベントのようなものを開催させていただいていました。その中で『また見たい』と言ってもらえることも多く、そういった声を掛けていただくうちに『もっとファンの方に恩返しをしたい』『もっと有名になりたい』と強く思うようになっていきました」

 しかし、芸能界引退を宣言した手前、芸能活動を再開することには抵抗もあった。そして、心が揺れ動く中で声を掛けてきたのが現在の事務所だった。「復帰への葛藤はめっちゃありました」。そんなやのの背中を後押しした言葉があった。

「アイドル時代からお世話になっている方に『引退宣言したのに、復帰してもいいんでしょうか……』と相談しました。そのときに『誰に気を遣ってるの? お前の人生だろ』と言ってもらえたことで気持ちが動きました。ファンの方からも『過去にとらわれず、少しでも気持ちがあるなら戻ってきてほしい』と言ってもらえて、気持ちが固まりました。『自分は何に気を遣ってたんだろう。もういいや!』って」

「マルチタレントを目指したい」と意気込みを語ったやのほのか【写真:ENCOUNT編集部】
「マルチタレントを目指したい」と意気込みを語ったやのほのか【写真:ENCOUNT編集部】

グラビアで活動再開、今後は「マルチタレントを目指したい」

 復帰を決めてからは、ライフスタイルも一変した。過去には広島・江田島市の広報大使を経験するほどに強かった地元愛。「広島を出る意味が分からない」とすらも考えていたが、仕事に専念するために上京を決断した。「挑戦するからには東京に行こうと思いました。とにかくやってみようって」。

 突然の復活劇に「結局か」など、ネガティブな声もあったという。やのは「ホンマに気持ちが変わるのが早すぎましたからね。史上最速で心変わりしたんじゃないかなって思っています」と苦笑い。しかし、「やらない方が後悔すると思ったので、そういう声はあまり気にならないです」と吹っ切れた表情を見せた。

 復帰後、初めての仕事がグラビア撮影。アイドル時代とは異なる表情を見せたが、「実は憧れていたんです」と念願の仕事だったことを明かした。

「アイドル時代にはやっていなかった新しいことをしていきたいです。テレビなどに出演して知名度を上げていくことが目標です。歌が好きで特技でもあるので、そこを磨いていきつつ、グラビアもできるマルチタレントを目指したいです」と今後はがむしゃらに挑戦を続けていく。

 幼少期は「本当に目立ちたくないタイプだった」というやの。母親がオーディションに応募したことで、右も左も分からぬままにアイドル活動がスタートした。当初は「やらされていると思うこともあった」というほどに不慣れな環境に戸惑う日々だったが、家族やファンに支えられながら成長していく中で「生まれ変わったら、今度は自分でオーディションに応募したいと思えるぐらいアイドルになって良かった」と次第に思いは変化していった。

「私の人生はこれまでお母さんの影響で決まっていくことが多かったんです。でも今回は『次の人生は自分で決めてみなさい』と言って背中を押してくれました」

 尊敬する母親への感謝の思いを胸に、次なるステージの階段は自らの足で上った。

「私はすぐに気持ちが変わっちゃうタイプなので、この先も何が起こるか自分でも分からない」と笑顔を見せたやの。「今はとりあえずやってみます」とその目はしっかりと前を見据えていた。

□やのほのか(本名:矢野帆夏)1999年8月6日、広島県出身。17年、アイドルグループに加入。22年9月にグループ卒業とともに芸能界引退も発表。23年4月に『Platinum FLASH』(光文社)のグラビアで芸能活動を再開した。大好きな広島を離れての上京となったが「“今のところは”いつか広島に戻りたいです」と不安の残る言葉を交えながらも地元愛をアピール。卒業当時に語っていた「広島で自分の店を持つ」という夢は変わっていない。

次のページへ (2/2) 【写真】グラビア挑戦の抜群スタイル…ボディーラインくっきりニット姿のやのほのか
1 2
あなたの“気になる”を教えてください