矢部浩之、バルセロナ来日のイニエスタ送別試合を観戦へ「スタジアムで見るべき貴重な試合」
ナインティナインの矢部浩之が、今月6日の親善試合J1ヴィッセル神戸対FCバルセロナ(東京・国立競技場、午後7時30分開始)を観戦することになり、ENCOUNTの取材に「サッカーが大好きな長男と一緒に行きます」と明かした。元スペイン代表で神戸からの退団を表明したMFアンドレス・イニエスタの送別試合でもあり、本人は試合の途中から古巣バルセロナの一員としてプレーする希望を公言。世界的にも注目の一戦になっており、矢部は「スタジアムで見るべき貴重な試合」と言葉に力を込めた。
6日午後7時30分開始、親善試合J1ヴィッセル神戸対FCバルセロナ
ナインティナインの矢部浩之が、今月6日の親善試合J1ヴィッセル神戸対FCバルセロナ(東京・国立競技場、午後7時30分開始)を観戦することになり、ENCOUNTの取材に「サッカーが大好きな長男と一緒に行きます」と明かした。元スペイン代表で神戸からの退団を表明したMFアンドレス・イニエスタの送別試合でもあり、本人は試合の途中から古巣バルセロナの一員としてプレーする希望を公言。世界的にも注目の一戦になっており、矢部は「スタジアムで見るべき貴重な試合」と言葉に力を込めた。(取材・文=柳田通斉)
矢部は6日が待ち遠しい。楽しみが詰まった一戦を見られることになったからだ。
「本人にはまだ言っていませんが、サッカーをやっている9歳の長男も連れて行きます。欧州のリーグもJリーグも大好きなので、きっと喜びます。僕も楽しみで仕方ありません」
大阪・茨木西高時代、サッカー大阪高校選抜の候補になった矢部は、テレビ朝日系『やべっちFC』(2002年4月7日~20年9月27日)でMCを務めた。現在はDAZNで配信の後継番組『やべっちスタジアム』でサッカーの楽しさを伝えている。イニエスタは『やべっちFC』で、矢部が披露した“神トラップ”を見て、「素晴らしい」とVTRでコメントしたが、2人の対面は1度もない。
「やべっちFCの企画で、カンプ・ノウ(バルセロナのホーム)でも試合は見ていますが、直(じか)に会ってはないですね。でも、僕はすごい選手とトークで絡むより、その人のテクニックやプレーを見たい方なので、今回も純粋に試合を楽しみたいです」
イニエスタのテクニックには、バルセロナ時代から魅了されてきたという。
「難しいことを簡単にやっているすごさを感じてきました。ボールをもらう前に状況を把握し、何個かの選択肢を考えつつ、ボールを取られないようにする。トラップ、パスのすごさもあるけど、パスコースを増やすための効果的なドリブルもあったりする。そして、周りも生かして、自分も生きる。特にロナウジーニョ、(リオネル・)メッシ、シャビ(・エルナンデス)と一緒にプレーしていた頃がしびれました」
イニエスタとは対面はなしも、高校の同級生がスペインで「親友」に
イニエスタは功績が認められ、2017年10月の時点でバルセロナ側から「好きなだけいていい」と生涯契約を提示されたという。だが、試合の出場機会が減ると移籍を決断。18年5月24日、神戸への完全移籍を発表した。そして、今回も今季終了まで神戸との契約を残しながら、出場機会を求めて他クラブへの移籍を決断した。かつては「神戸での引退」をイメージしていたというが、今季はリーグ15節を終えて出場3試合。栄光に包まれた39歳だが、現状に納得いかず、プレーの場を求めている。矢部は「その気持ちがうれしい」と言った。
「まず、神戸に来ると聞いたときは『マジか。信じられない。三木谷(浩史)さん、すげ~』と思いました(笑)。普通のギャラじゃないし、繊細に時間をかけて交渉したはずだからです。あれから約5年もいてくれて、ヴィッセルも(第99回天皇杯で)優勝させたのに、なおも現役にこだわる姿勢がうれしいです。日本を離れたとしても、どこかでプレーしている姿を見られるわけですからね」
そんな矢部は、イニエスタとは間接的な“縁”があった。茨木西高サッカー部で同じ副キャプテンだった「親友」が、スペインでカメラマンになり、イニエスタから「親友」と呼ばれる関係になっていた。
「GKをやっていたムツです。随分前、雑誌のNumberにムツが撮ったイニエスタの写真が出ていて、記事を読んだら、イニエスタが『日本人で唯一の親友はムツだ』と。ビックリしましたし、『そんな道もあんのか。(親友は)やべっちじゃなくて、ムツなんや』と思いました(笑)。でも、うれしかったです。ムツとは4年ごと、W杯のたびに現地で会っています。(昨年12月に)カタールでも会いました」
つまり、「親友の親友」にあたるイニエスタだが、矢部は6日、プレーだけを楽しみにスタジアムへ足を運ぶ。今のバルセロナには、メッシ、ネイマール、ルイス・スアレスはいないが、今季、バイエルンから移籍してゴールを量産したFWロベルト・レバンドフスキ、18歳のMFガビ、20歳のMFペドリら新たなスターがいる。そして、すでにスペインリーグ優勝を決めたチームは今週末の最終節終了後、すぐに航空機に乗って来日。率いるのは、かつてイニエスタと中盤でコンビを組んだシャビ監督だ。
「ガビとペドリは、イニエスタとシャビのコンビと同じ雰囲気がありますし、レバンドフスキは何でもできるセンターFW。大迫(勇也)選手もそんなタイプのFWですし、比較をするのも面白いと思います。それに今、J1首位のヴィッセルは好調ですし、選手もバルセロナを相手にモチベーションが高くなるでしょう。活躍すれば、バルセロナ側の目に留まるわけですから」
注目の一戦だが、平日夜の開催ゆえにまだチケットは入手できる状況にあるという。それも踏まえて矢部は言った。
「大人、子供に関わらず見に行ってほしいです。うまくて強い選手たちのプレーは絶対、スタジアムで見た方がいいと思います。しかも、あのイニエスタがバルセロナの選手たちと同じピッチでプレーする。こんな貴重な機会はなかなかありません」
試合開始は午後7時30分。当日、矢部はサッカーのスクールを終えた長男と一緒にスタジアムに駆けつけるという。キックオフ前からワクワクは止まらないはず。矢部もサッカー少年に戻って、プレーを目に焼き付けることだろう。