忘れ物した児童への“書き取り指導”が波紋 「無意味」「反省促す」小学校の対応めぐり賛否両論
小学校の習字の授業で習字道具を忘れたため、1人だけ硬筆の書き取りを指示されたという子をめぐる投稿が、ネット上で波紋を呼んでいる。投稿には「忘れ物をしてはいけないという反省を促す」という意見から「こんなことをさせても無意味」という声まで賛否両論。当事者の小学5年生の子の親から事情を聞いたという投稿者に話を聞いた。
習字道具を忘れたため、教師から1人だけ硬筆の書き取りを指示された
小学校の習字の授業で習字道具を忘れたため、1人だけ硬筆の書き取りを指示されたという子をめぐる投稿が、ネット上で波紋を呼んでいる。投稿には「忘れ物をしてはいけないという反省を促す」という意見から「こんなことをさせても無意味」という声まで賛否両論。当事者の小学5年生の子の親から事情を聞いたという投稿者に話を聞いた。
「習字道具を忘れたママ友さんのお子様
その授業時間にやらされていたことに呆然
なんとその子は筆で書く字を永遠と鉛筆で書き続けさせられました
埼玉県内の小学校で実際に最近あった話
今の小学校はここまで狂っているのか
そのママ友さんも怒りで校長に意見するとのこと」(原文ママ)
先月26日に拡散した投稿には、習字課題の「ふるさと」の文字を、400字詰めの原稿用紙いっぱいに鉛筆書きで書き詰められた画像が添えられている。
投稿者の異論マスク(@iron__mask)さんは、30人ほどの保護者が集まるグループチャットで日々学校に関する情報を共有しており、あるママ友から共有されたという今回の事案をめぐり「こんな全員が同じことをひたすらロボットのようにやる学校、同調圧力で個性をつぶすような既存の学校は日本に必要ない、やめてほしい」という思いから画像をSNSに投稿。教員から硬筆での書き取りを指示されたのは2時間にまたがる授業の中でのことだったという。
学校側の対応をめぐっては、「忘れ物をしたからって、子どもに苦痛に感じる&無意味なことを強いるのが、正義となるのでしょうか?」「こんなに何度も何度も鉛筆で書く意味なんて子どもの集中力の点から考えても殆ど無い、無意味」「同じ字をずっと写すなら、教科書のページを書き写すとか他のやり方があってもよかったですよね」「反省させるために懲罰で書かせているなら問題」「硬筆の道具があるんならそっちの練習させるのは合理的」「忘れ物をしたら皆んなと同じ学習ができない。だから忘れ物はしないように気をつけよう。これは習字よりも身に付けるべき学習です」など、賛否両論が寄せられている。
「忘れ物は子どもに限らず大人だって誰でもするもの。それで子どもの自信をなくさせること自体が問題。忘れたからと言って、ずっと書き取りだけをさせなくとも、予備の習字を用意しといて貸すこともできたはず。外国のようにグローバルな人間を育てるために個を生かすと政府は言っていますが、こんな学校に子どもが通う限り夢のまた夢だと思います。集団の規則や規律など、学校が学校らしくあろうとするあまり、子ども目線での最適な教育を考えられていないことが、国全体の成長戦略と矛盾しているのではと感じます。本当に問題視しないといけないのは忘れ物の対応ではなく、前時代的な学校教育根本の在り方そのものではないでしょうか」と投稿者。
学校現場にとってはいったい何が正解なのか、さらなる議論を呼びそうだ。