新型コロナ、夏に対策を緩めれば、秋に“大流行”も…米国の調査チームが研究
今夏の暑さと湿気により新型コロナウイルスが消滅することは期待できない、と米紙「ボストングローブ」が報じている。
夏の暑さと湿気では“消滅”を期待できず
今夏の暑さと湿気により新型コロナウイルスが消滅することは期待できない、と米紙「ボストングローブ」が報じている。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローン経営大学院が、新型コロナウイルスの気候の影響について調査してわかったという。
同大学院のラーマンダッド准教授は「高温と湿気は新型コロナウイルスの感染速度をやや低下させることができても、パンデミックは夏の天気だけでは消滅しない可能性が高いです」とコメント。気温が上昇すると消滅する季節性インフルエンザとは異なるとしている。
今回の研究には、ハーバード大学、マサチューセッツ総合病院、コネチカット大学、バージニア工科大学の研究者たちも参加。昨年12月12日から4月22日までの世界3700か所以上の感染と天気のデータを調査したという。
調査の論文には「気温と湿度は、新型コロナの感染拡大と負の相関関係であることが分かった。夏は世界の一部の地域で少し安心感をもたらすかもしれない。しかし、その相関関係は感染拡大を止めるほど大きくはない。夏の気候が自然と感染拡大を防ぐと想定するのではなく、行政と市民はより慎重に対応すべきである」と記されている。
また、ハーバード大学のミナ助教は、夏の天気が「少し感染速度を緩めるかもしれませんが、止めるとは思いません」と語った。さらに、「感染するリスクがある人たちがまだ大量にいて、夏にソーシャルディスタンスの対策が緩和されたら、感染拡大が続くと思います」とし、「最悪の場合、秋に“大流行”が発生する可能性もある」と警告した。