「光明が見えない」コロナ禍でハワイが最大の被害地に…失業率史上最高の34%に米メディア衝撃
新型コロナウイルスの感染拡大で8万人以上の死者を記録している米国。中でも、ハワイは感染者632人、死者17人と被害をとどめている一方で、渡航禁止に伴う観光業の冷え込みから同州史上最高の失業率34%を記録。危機的状況に直面していると、米地元紙「USAトゥデー」が報じている。
「観光業のほとんどの扉は閉ざされた」
新型コロナウイルスの感染拡大で8万人以上の死者を記録している米国。中でも、ハワイは感染者632人、死者17人と被害をとどめている一方で、渡航禁止に伴う観光業の冷え込みから同州史上最高の失業率34%を記録。危機的状況に直面していると、米地元紙「USAトゥデー」が報じている。
日本人観光客でお馴染みの南の楽園がかつてない状況に突入している。記事では「ハワイは厳格な自宅待機命令で史上最高の失業率に直面している。かつて強固な観光産業を誇った州のシャットダウンは住民を恐怖させ、貯金に依存するか、ローンを払えず、家族も食べさせられない状況に陥らせている」と報じている。
3月時点で失業率は3%だったが、現在では34%まで急上昇。観光業の落ち込みは凄まじく、航空便でハワイを訪問する旅行者は1日平均3万人だったが、今では756人にまで減少したという。ハワイ州デビッド・イゲ州知事の命令で、ハワイ島を訪問する人間は2週間の自主隔離が義務付けられたことから、記事では「事実上観光業のほとんどの扉は閉ざされた」と報じている。
高級ホテル「シェラトン・ワイキキ」でハウスキーパーとして、32年間働いていたジュリー・ガボットさんは退職金もなしに解雇された。
「我々の生活は危険な状況です。何が起こるのかわかりません。本当の意味で将来に光明が見えない」
ガボットさんの悲痛な叫びが紹介されている。28年間同じ職場で働いていた夫も失職。家族を養うために、フードバンク頼りの日々だという。
ホノルルのギフトショップを経営するマリア・ジョンソンさんはコロナ禍による売り上げの落ち込みで、3月にスタッフ10人を解雇。会社の口座残高は50ドルになったという。解雇したスタッフへの支援を続けているというジョンソンさんは「つらい。彼らは食べることもできない。家賃も支払えない」と引き裂かれる様子だったという。
世界中から観光客を集めていたハワイ。観光客への依存度の高さを危惧していたというハワイ市議のキンバリー・パイン氏は「我々の州がこの種類の危機にいかに準備不足だったかを如実に示している。我々は多くの市民が家賃を支払えず、家を失う事態に準備する必要がある」と語った。
観光大国ハワイを直撃したコロナ禍。人々に笑顔が戻るのはいつになるのだろうか。
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