人気なのにはびこる「プリウスミサイル」の評 オーナーの本音は? 「そこは割り切って…」
ハイブリッド車の代名詞的存在であるプリウス。世界的にも評価の高い車種だが、ネット上では、ネガティブな印象を与えるスラングがはびこっている。交通事故に関連してやゆする「プリウスミサイル」という言葉だ。普段から愛用して乗っているオーナーは実際にどう感じているのか。胸中を探った。
ネットで出回っている言説の根拠は定かではない
ハイブリッド車の代名詞的存在であるプリウス。世界的にも評価の高い車種だが、ネット上では、ネガティブな印象を与えるスラングがはびこっている。交通事故に関連してやゆする「プリウスミサイル」という言葉だ。普段から愛用して乗っているオーナーは実際にどう感じているのか。胸中を探った。
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優れた燃費性能を誇り、静かな走行も特徴的で、街中でもよく見かけるプリウス。レンタカーで乗ったことがある人も多いだろう。一方で、SNS上では、プリウスをバッシングするような書き込みが見受けられる。プリウスが突っ込む形での事故を映したとするドライブレコーダーなどの映像・写真が次々に出てくる。どこか危険という言葉を連想させ、とくに“高齢者の運転による事故”というイメージがつきまとう。ただし、ネットで出回っている言説の根拠は定かではない。一方で、プリウスの電子式シフトレバーは誤操作になりやすいとの指摘もある。
10年以上プリウスを愛用するオーナーは「ネットで騒がれていることは認識しています。若い人も乗っていますし、それだけ買いやすくなった、普及していることだと捉えています。ドライバーの中にはマナーの悪い人がいるのかもしれません」。苦々しい思いだが、変に目立ってしまうという受け止めだ。ネットの書き込みは「気にしていない」といい、「当たり前ですが、安全運転を心がけています」と話した。
ある男性オーナーは「友人と出かける際に、『ミサイル』といじられることがありますが、自分自身は笑って流せる性格なので、流しています」と周囲の反応について明かす。プリウスの安全システムが強化されていることを聞いているといい、「交通事故が起きてしまうことは本当に悲しいことです。どんな世代でも簡単に運転することができる車が登場したことは、日本の技術力の高さの証明であると考えています」と語った。
別のプリウスのオーナーは交通事故について、「運転する車がどうなのかという話ではなく、ドライバー個人のミスの問題なのではないか」との見解を示す。そのうえで、「目立ってしまうというのは、それだけ多く走っているという証拠だとも言えますよね。何か言われてしまうことは、そこは割り切っていて、気にしていません」ときっぱり。
むしろ盗難被害の不安を抱えているという。
一般社団法人日本損害保険協会の「自動車盗難事故実態調査」によると、2020年の車両本体盗難数の1位はプリウスで、21年、最新の22年はランドクルーザーに次いで2位となっており、深刻な事態が続いている。
プリウスを巡り、希少金属が含まれている触媒コンバーターと呼ばれる部品が狙われ、盗難の多発につながっていることが今年に入ってからニュースになった。このオーナーは「盗難が怖い。ちょっと心配なので、センサー装置など防犯対策を強化することを考えていかないと」と、複雑な心境を明かした。