『サンクチュアリ』小悪魔ホステス役の寺本莉緒 異例尽くしの現場、驚きのネトフリのスケール感

俳優・寺本莉緒(21)が大相撲を舞台にした本格的なNetflixドラマ『サンクチュアリ-聖域-』(全世界配信中)で主人公・小瀬清(一ノ瀬ワタル)を惑わすホステス嬢、七海を好演し、注目を集めている。寺本がNetflixドラマの破格のスケール感を明かした。

ドラマ『サンクチュアリ-聖域-』に出演した寺本莉緒【写真:舛元清香】
ドラマ『サンクチュアリ-聖域-』に出演した寺本莉緒【写真:舛元清香】

役者としての飛躍誓う「次の目標はドラマや映画で賞を取ること」

 俳優・寺本莉緒(21)が大相撲を舞台にした本格的なNetflixドラマ『サンクチュアリ-聖域-』(全世界配信中)で主人公・小瀬清(一ノ瀬ワタル)を惑わすホステス嬢、七海を好演し、注目を集めている。寺本がNetflixドラマの破格のスケール感を明かした。(取材・文=平辻哲也)

 2015年に「DREAM GIRL AUDITION 2015」を経て芸能界デビュー。18年、「ミスマガジン2018」で準グランプリに相当する「ミスヤングマガジン」を受賞するなどグラビアを中心に活躍していたが、最近では俳優業が増えてきた。本作はキャリアの中でも転機になる作品だという。

 本作は大金を稼ぐ目的で相撲部屋に入門した荒くれ者の主人公が相撲界で頭角を現していく物語。染谷将太、忽那汐里、小雪、ピエール瀧ら豪華キャストが共演。寺本はクラブのホステス嬢、七海をオーディションでつかんだ。

「脚本を読んだときから、この役は絶対に取りたいと思っていました。オーディションから監督が熱量を持っていらっしゃったので、現場みたいな空気でした。最後は一ノ瀬さんとセリフをあわせてみたり、と初めての経験でした。普通は、後日マネジャーさんに連絡がいきましたが、当日、直接、『決まりました!』と言ってくださったので、涙を流しながら、すぐに母に電話しました」と振り返る。

 七海は、色気たっぷりに主人公の気を引いたり、女性記者(忽那)に対抗心を燃やして、「彼女です」と言ってみたり、時には小瀬清=猿桜(小瀬)を冷たく突き放す小悪魔的な存在だ。

「心の強さや負けず嫌いのところは自分とも似ている部分があったので、自分が役に寄せに行って、もっと力強くして演じました。パンチの強い役ですが、描かれてないミステリアスの部分もあって、つかみどころがないのですが、彼女自身はいたって真面目に人生を生きている。だから、見え方でしょうね。最初は私だと気づかない方もいて、反響をいただけているのがうれしいです」

出演決定に「涙を流しながら、すぐに母に電話しました」と告白した【写真:舛元清香】
出演決定に「涙を流しながら、すぐに母に電話しました」と告白した【写真:舛元清香】

 撮影は2年前、19歳のときだ。1年がかりの撮影で、何もかもが異例尽くしだった。

「力士さんたちは、撮影1年前ぐらいから、稽古を積んだり、両国国技館の土俵と同じセットを作ったり、とても大規模な撮影でした。撮影は1年がかりでしたが、力士さん役の俳優さんは身体作りにも時間をかけていたので、3か月くらい空くときもありました。現場は、時間があるので、できないことを諦めるんじゃなくて、できるところまでやる。その姿勢がすごく居心地が良くて、お芝居に真剣に向き合うきっかけにもなりましたし、お芝居をやる楽しさにも気づかせてもらいました」

 主演の一ノ瀬は元格闘家。エキストラ経験を経て、俳優として本格活動。19年の池松壮亮主演の映画『宮本から君へ』(真利子哲也監督)では、ラグビー部員を演じるために33キロ体重を増やしたが、本作では130キロまで増量した。

「お会いするたびに体が大きくなられているんですけど、力士さんはさらに大きい。力士さんって、すごいんだなと改めて思いました。一ノ瀬さんはキャラクターとは真反対で、優しい方で、常にニコニコしていらっしゃる。でも、役に入ると怖い、柄が悪い(笑)。カットがかかった後は『痛くなかった?』『大丈夫だった?』と声をかけてくれるんです」

 私生活では大学の経済学部4年生で、ラーメンを毎日のように食べている面も。

「大学の1、2年はコロナ禍でオンライン授業でした。中国経済を専攻していたので、論文のテーマは中国経済と日本経済の比較。3年生のときに提出しているので、あとは単位を取るだけ。ラーメンが好きすぎて、それに勝るものや趣味を見つけられない(笑)。特に好きなのは、家系と二郎系。ニンニクを入れて、こってり、濃いめが好きです。それでも、体形を維持できるのは若さですかね。運動も苦手なんで、特にしていないんです」

 現在はABCドラマ『サブスク彼女』でも、メンヘラ女子役でレギュラー出演中。今後も、連続ドラマの撮影も控えている。いよいよ本格化してきた女優業にはますます面白さを感じている。

「私自身も好きなことは好き、嫌いなことは嫌いというサバサバした性格なので、こうして続けられているのは、本当に心から楽しんでいるんだろうなって思っています。次の目標はドラマや映画で賞を取ること。そのために頑張るしかない」と、全世界配信ドラマをきっかけに、さらなる飛躍を誓った。

□寺本莉緒(てらもと・りお)2001年11月5日、広島県出身。ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』や主演舞台『明日、君を食べるよ』といった舞台経験を重ね、22年にはABC『恋に無駄口』、ABC『今夜、わたしはカラダで恋をする』、TX『自転車屋さんの高橋くん』にレギュラー出演。23年にはFOD『ショジョ恋』、Netflix『サンクチュアリ-聖域-』、ABC『サブスク彼女』にレギュラー出演するなど、俳優として活動の幅を広げている。

次のページへ (2/2) 【写真】寺本莉緒の劇中カット
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