役所広司、カンヌ映画祭で男優賞受賞「環境を監督が整えてくださった」 柳楽優弥以来19年ぶり2人目
第76回カンヌ国際映画祭の受賞結果が現地時間27日(日本時間28日未明)に発表され、『PERFECT DAYS』の主演、役所広司が主演男優賞を受賞した。
『PERFECT DAYS』で主演 日本人19年ぶり2人目の快挙
第76回カンヌ国際映画祭の受賞結果が現地時間27日(日本時間28日未明)に発表され、『PERFECT DAYS』の主演、役所広司が男優賞を受賞した。日本人の受賞は2004年の是枝裕和監督『誰も知らない』の柳楽優弥以来、19年ぶり2人目。
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数々の傑作を世に送り出し続けたヴィム・ヴェンダース氏が、清掃員の平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に追いながら紡いだ本作。インタビューで役所は「平山の暮らしぶりをイメージさせるような環境を監督が整えてくださった」と明かしており、25日の公式上映では約10分間のスタンディングオベーションにつつまれ、観客からも本作への大きな評価を得ていた。
授賞式後、男優賞に選ばれた役所は、壇上にて感激に包まれながら、「こうやってこんな華々しいカンヌ映画祭でスピーチをするのはあんまり好きじゃない」とほほ笑み、周囲への感謝の意を表した。また、直後に行われた日本の記者向け取材で役所は「この賞に恥じないように頑張らなきゃな」と心情を明かし、海外作品への出演について話が及ぶと「自分の表現が役に立つような良い作品があれば参加したいとは思っています。基本的には、自分たちの国の映画で、世界中の人たちに楽しんでもらえるのが、一番の早道かな」と語っている。
役所は、第50回カンヌ国際映画祭にて、主演作『うなぎ』(今村昌平監督作)がパルムドールを受賞。男優賞は初の受賞となる。また『PERFECT DAYS』はエキュメニカル審査員賞も受賞した。
また、今回のカンヌ国際映画祭では是枝監督、脚本・坂元裕二氏、音楽・坂本龍一さんの『怪物』が脚本賞を受賞。是枝監督は壇上で「ありがとうございます。一足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します」とコメント。「みんなの力でこの賞を頂けたと思っております。ありがとうございました」と語った。
また、現地メディアの中継で是枝監督は、受賞後すぐに坂元氏に報告したところ、「夢かと思った」と返事がきて、そのあと続けて「たった一人の孤独な人のために書きました。
それが評価されて感無量です」と喜びを寄せたことを伝えた。カンヌ国際映画祭において日本映画の脚本賞の受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭での濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり、是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は22年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。