江口洋介、亡くなった仲間に捧げる35周年ライブ「そいつの分まで生きなくちゃいけねえ」
音楽活動35周年を迎えた江口洋介が24日、東京・渋谷のライブハウス・Spotify O-WESTで記念ライブを開催した。詰めかけた大勢のファンの前で『恋をした夜は』『愛は愛で』など全18曲を歌い上げた。
「湘爆見ました!」男性客の掛け声に江口も爆笑
音楽活動35周年を迎えた江口洋介が24日、東京・渋谷のライブハウス・Spotify O-WESTで記念ライブを開催した。詰めかけた大勢のファンの前で『恋をした夜は』『愛は愛で』など全18曲を歌い上げた。(取材・文=福嶋剛)
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ブルーのシャツを着た江口がステージに登場すると、スタンディングでぎっしり埋まった客席から大きな拍手と歓声が響いた。
「仕事帰りの水曜日の夜によく来てくれた。今日はオレの日だ。パワフルなライブをやるからみんなネクタイを緩めてボカーンって盛り上がろうぜ」
スタートから得意のロックナンバー。ブルースハープを披露しながら歌う『夢ゴコチ』(1991年)、エレキギターをかき鳴らし『逃げられた天使(Angel)』(95年)を演奏すると、観客は手拍子だけでなく、大声で一緒に歌い始めた。その光景を見て、江口は笑顔でガッツポーズを決めた。
今回は都内だけのスペシャルライブだが、北海道から沖縄まで、デビューからのファンが会場に詰めかけた。MCコーナーではマイクを通さなくても声が聴こえるくらいの至近距離で、江口がファンとの再会を楽しんだ。
当時のシングルレコードを掲げたファンには「おーっ、なつかしいね。まだドーナツ盤だったよね」と声をかけ、「(渋谷)eggmanのファーストライブに行きました!」の声には「ありがとう。ステージで『俺は無職です』とか言ってたよね。今もあんまり変わらないけれど(笑)」と答え、「路上ライブも行った」というファンには、「そんな時からずっと来てくれてたの? ギターピックあげるよ」と弾いていたピックを投げて渡した。そして、「湘爆(湘南爆走族)、映画館で見ました」と男性が叫ぶと、観客と一緒に爆笑した。
「前にこのライブハウスでやったのが3年前。ちょうど新型コロナが始まった頃だったけど、今回はやっと声を出せるようになってね。今朝、起きたら天気も良くて『It’s Fine Today』(95年)じゃん! 『もらったぜ』って思ったよ(笑)。今日は無礼講だから」と喜びを伝えると、パワフルな歌声で次々と代表曲を披露。ファンも大歓声で応え、なつかしんだ。
トライセラトップス和田唱が飛び入り参加
中盤にさしかかると、江口は「今日はゲストが来ています」と言い、3ピースロックバンド・トライセラトップスの和田唱を招き入れた。今回は江口バンドのドラムが同じくトライセラトップスの吉田佳史ということで、和田は「2人トライセラは珍しいです」と笑った。
和田とはテレビ番組の共演がきっかけで意気投合し、2人で新曲「風の街」を完成させた。
和田「ボイスメモでやり取りしましょうと江口さんに提案したら、次の日に『こんなのどうかな?』ってメロディーが届いて『早っ!』って思いました(笑)」
江口「そう(笑)。こういうのは早い方がいいんだ。歌詞もすぐに送ったら和田くんから『こんなのできました』って返信をもらってね。ちょうど撮影前の楽屋で『そろそろお願いします』って声がかかったんだけど、スタッフを待たせて聴いたら『やべー! すごく良い曲ができた』ってうれしかったね」
『風の街』は、「これからも前を向いて歩んでいこう」という音楽活動を再出発した江口が、自身とファンへの思いを込めたようなミドルテンポのナンバーだ。
続けてトライセラトップスの代表曲『FEVER』(98年)を和田が披露し、江口もデュエットした。曲の後半はギター好きの2人によるギターソロ合戦で盛り上がった。
終盤に差し掛かると、さらにアップテンポのロックナンバーで観客もヒートアップし、江口にとって最大ヒット曲『愛は愛で』(94年)へ。イントロのブルースハープを吹いた瞬間、観客から声援が起こり、この日一番の大きな手拍子が鳴り響いた。
演奏を終えてメンバーがステージを去っても手拍子は鳴りやまず、そのままアンコールへ。
江口が「ありがとう。言い残したことはもうないかな」と観客に伝え、『TRAVELING BOY ~解き放たれた矢のように』(96年)を披露した。ステージ後方のスクリーンにはデビューから現在までの江口を撮った未公開写真がスライドショーで流れた。最後に同じバイクにまたがったデビューの頃と現在の写真が並びで紹介されると、35年が経っても雰囲気が変わらない江口の姿に歓声が上がった。
ラストは代表曲『恋をした夜は』を観客と合唱。これで最後かと思いきや、観客の拍手は鳴りやまず、江口が再登場。1人でアコースティックギターを持ち、スタッフも知らなかったというダブルアンコールが始まった。
「今日はありがとう。さっき後ろで写真を紹介したんだけど、そこに俺と写っていたライブの制作をやっていた男に今日のステージをお願いしたんです。でも、先に空に逝っちまってね……。20代の頃から一緒にツアーを回ってきたやつなんで、そいつの分まで肉体のあるうちは頭を使って、体もフルに使って生きなくちゃいけねえなって、そいつが教えてくれたような気がしています。そいつとみんなのために最後に聴いてください」
涙をグッとこらえた表情を見せた江口は『明けていく街』(92年)を歌った。
演奏を終えると、「気を付けて帰ってな! 部屋に帰るまでがライブだぞ!」。ステージに戻ってきた“あんちゃん”が、力強い言葉でファンに感謝を伝えた。
江口の次回35周年記念ライブは、6月21日に東京・赤坂のビルボードライブ東京で行われる。今回とは違うセットで新曲も披露するという。
江口洋介「BE HERE NOW~35th Anniversary~Yosuke Eguchi Live 2023」
2023年5月24日 Spotify O-WEST(東京・渋谷)
セットリスト
01.夢ゴコチ
02.GOOD TIMES
03.ALL RIGHT
04.逃げられた天使
05.It’s Fine Today
06.FREE
07.虹を見た街
08.風の街 with 和田唱
09.FEVER with 和田唱
10.Blueな夜
11.青く眩い月の光
12.Silence
13.Funny Day
14.I CAN’T STAND IT
15.愛は愛で
アンコール1
16.TRAVELING BOY
17.恋をした夜は
アンコール2
18.明けていく街
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「BE HERE NOW~35th Anniversary~Yosuke Eguchi Live 2023」
日程:2023年6月21日
会場:ビルボードライブ東京(東京・六本木)
1st ステージ 午後5時30分開演
2nd ステージ 午後8時30分開演
詳細は公式HPへ:https://www.universal-music.co.jp/eguchi-yosuke/