ピアニスト役で“本物”もびっくり 鈴鹿央士のあふれる才能と将来性
俳優でモデルの鈴鹿央士(19)が4日、都内で開かれた映画「蜜蜂と遠雷」(10月4日公開、石川慶監督)のイベントに登場した。
役作りで意識「自分で弾けたほうが楽しい」
俳優でモデルの鈴鹿央士(19)が4日、都内で開かれた映画「蜜蜂と遠雷」(10月4日公開、石川慶監督)のイベントに登場した。
原作は史上初めて直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の同名小説。4人のピアニストによる国際コンクールを描く内容で、鈴鹿は“ピアノの神”が遺した異質の天才・風間塵を演じている。イベントには風間の演奏を担当したピアニストの藤田真央も姿を見せた。
鈴鹿は、映画「先生!、、、好きになってもいいですか?」(三木孝浩監督)のエキストラ参加をきっかけに、女優・広瀬すずにスカウトされ、昨年デビュー。同年に「MEN`S NON-NO」専属モデルオーディションでグランプリを獲得した逸材だ。
本作が俳優デビューとなった鈴鹿は、100人を超えるオーディションで「塵そのものだ」と監督をうならせ、大抜擢となった。
鈴鹿はモデルとの違いについて「(俳優は)カメラ目線にならないことのほうが多くて、モデルの時はカメラ目線。カメラを意識する、しないかが違いだった」と振り返った。
役作りに対しては真摯に向き合い、ピアノを演奏する場面は、本物と見間違うほどの迫真の演技を披露した。
「(イメージは)楽しく弾く人というか、そういうふうに思ったので、なるべく自分で指を動かせて弾けるようにっていうのを意識しました。自分で弾けたほうが楽しいじゃないですか。ウソじゃないし。ピアノの練習ですね、意識したのは」
撮影までピアノを習ったことはなかったが、藤田のレコーディング演奏を見て、指の動きからたたずまいまで一挙一動を脳裏に刻み、反復した。
「『ピアノを弾く前の雰囲気とか、弾いている時の表情とか手の動きとか、そういうことを今日勉強して持って帰って欲しい』と言われたので。お手本ですよね。観察して」
藤田は「一挙手一投足すべて見られている感じ」
その時の鈴鹿の様子を藤田は驚きを交えて、こう語った。
「びっくりしたのは役者さんってこんなにすごい、一挙手一投足すべて見られている感じで、しかも、オペラシティで録ったんですよ。東京オペラシティの大ホールで。あんな大きなホールで一番前に座っているんですよ。すごい観察された。それをすぐ取り入れるのは本当に素晴らしいこと」
この日は、藤田の生演奏も披露され、鈴鹿は「手が柔らかい。近くで見れてよかったです」と改めて称賛。「映画館のあの空間で見ることに価値がある。ぜひ10月4日仕事が終わって映画館に行ってください」と満面の笑みでPRした。