韓国で売れなくても日本で成功できる 定説破った超新星ユナクが韓流20年を語る

ドラマ『冬のソナタ』が日本で放送され、大ヒットしてから20年。“韓流”という言葉を生んだブームは、今では文化として根付いている。2009年にダンスボーカルグループ、SUPERNOVA(超新星)のリーダーとして日本でデビューし、現在はソロアーティストとしても活躍するユナクに、世界で旋風を巻き起こしているKカルチャーについて聞いた。

超新星のメンバーとして、韓流ブームを盛り上げたユナク【写真:ENCOUNT編集部】
超新星のメンバーとして、韓流ブームを盛り上げたユナク【写真:ENCOUNT編集部】

BTSらもSDGsの大切さを訴え

 ドラマ『冬のソナタ』が日本で放送され、大ヒットしてから20年。“韓流”という言葉を生んだブームは、今では文化として根付いている。2009年にダンスボーカルグループ、SUPERNOVA(超新星)のリーダーとして日本でデビューし、現在はソロアーティストとしても活躍するユナクに、世界で旋風を巻き起こしているKカルチャーについて聞いた。(取材・文=西村綾乃)

 愛知大学(名古屋市東区)に留学していたユナクは、大学在学時にモデルとしてスカウトされ芸能活動を開始。卒業後に帰国し、オーディションで選抜された期待の大型新人グループ『SUPERNOVA(超新星)』の一員として07年9月に韓国でデビューした。

 ミュージックビデオに多額の予算を投入するなど破格の扱いだったが、ヒットに恵まれなかった6人。KARA、FTIsland、少女時代などの同期が華々しく活動していく中で、「結果に結びつかない僕らに向けられる目は厳しかった」と振り返る。

 転機が訪れたのは09年9月。BIGBANGに続いて、ユニバーサルミュージックジャパン(東京都渋谷区)から日本での活動をスタートすることが決定。6人の人生が大きく動き出した。

 再起をかけた日本での活動。デビューシングル『キミだけをずっと』はデイリーランキングで初日に5位を記録し、1万人以上を収容するアリーナクラスの会場をファンで埋めるなど大成功を収めた。

「当時は、韓国国内で人気を確立した後に、日本でデビューをするのが主流でした。でも僕たちはそうじゃなかった。僕らは韓国で売れていなくても、日本で成功できることを証明した最初のグループと自負しています。韓国では自由に歩くことができるのに、日本では変装しないと大騒ぎになった。そのギャップに戸惑いもありました」

 現在は、アーティストとしてはもちろん、舞台や映画で役者としても活躍しているユナク。世界で愛されるようになった韓国発のエンターテインメントをどのように見ているのだろうか。

「韓国では競争率が激しく、大衆から支持を得るためには努力を惜しみません。この20年でダンスや歌のレベルは一気に向上しました。男性は兵役もありますし、早い段階で地位を確立したいと考える人も多い。韓国は流通システムが一貫しているので、広めるスピードがすごい。それが世界での成功につながっていると感じます。また人気が出たものについては、オリジナルの良さを大切にしながら、独自のエッセンスを加えて新しいものとして発信していく力もあります」

 発信力が認められたBTSは、21年にアメリカ・ニューヨークで開催された国連総会の場で、気候変動対策や環境保護をはじめとしたSDGs実現の重要性を訴えた。韓国の芸能界でも注目されているSDGsの大切さ。ユナクは5月20・21日に、東京・有楽町の「I’M A SHOW」で、SDGsをテーマにした2日間だけの特別公演『ユナク/YOONHAK SPECIAL LIVE』を開催する。

「ライブでは、僕がこれまで出演したミュージカルで歌ってきた曲を披露するほか、ミュージカル『RENT』で共演した歌手のジェニファーをゲストに招いて歌う時間もあります。会場では気候変動の影響を受けながらも、苦労を乗り越えて日本酒を醸造する蔵元や、サステナブルなワイン作りを実践するアメリカのワイナリーの紹介も行います。ファンのみんなとSDGsについて考える時間になれば」と思いを込めた。

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