舞台『キングダム』全82公演を完走 “楊端和”梅澤美波「出会いすべてへの感謝を」
俳優の三浦宏規と高野洸が主演を務める舞台『キングダム』が11日、札幌文化芸術劇場hitaruで2公演を行い、夜の部にて大千穐楽を迎え、全82公演を完走した。
三浦宏規&高野洸主演のダブルキャスト
俳優の三浦宏規と高野洸が主演を務める舞台『キングダム』が11日、札幌文化芸術劇場hitaruで2公演を行い、夜の部にて大千穐楽を迎え、全82公演を完走した。
2月5日に東京・帝国劇場で幕を開けた舞台『キングダム』は、2006年に『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載が始まり、既刊68巻の累計発行部数が9700万部を突破する原泰久氏のデビュー作にして、空前の大ヒット作品をはじめて舞台化した作品。
テレビアニメ、実写版映画に続くメディアミックスの展開で、主人公の少年「信」役に三浦と高野、若き王「エイ政」と信の親友「漂」役に小関裕太と牧島輝のそれぞれダブルキャストをはじめ、演劇界の未来を担う若きホープたちが集結。舞台ならではの高い熱量で、3月12日からの大阪・梅田芸術劇場メインホール、4月2日からの福岡・博多座公演を経て、最終地・札幌文化芸術劇場hitaruへとひた走ってきた。
そんな舞台の大千穐楽、昼夜2公演生中継のライブ配信が行われ、最後の場面、最後のセリフに命を託すキャストが織りなした感動のフィナーレ、そしてスペシャルカーテンコールまでがノーカットで全国に届けられた。
ライブ配信はまず、稽古場から帝劇の舞台へ向かう面々を追ったミニメイキング映像が流れたあとに、本編配信がスタート。まず、三浦、牧島、華優希、梅澤美波(楊端和)、石川由依(紫夏)による舞台が幕を開けた。
昼の部のカーテンコールでは、この回で一足早く千穐楽を迎えるダブルキャストの面々があいさつ。一人ひとりが、2月5日帝劇での初日から、5月11日札幌文化芸術劇場hitaru千穐楽を、これほど激しい殺陣の続く舞台で、誰一人欠けることなく、全員で迎えられた感謝を述べ、コロナ禍のなかで走ってきたキャストたち。
紫夏役の石川は「『恩恵は全て次の者へ』を胸に生きていく」。楊端和を演じた梅澤は、「この舞台での出会いすべてへの感謝を」、河了貂を演じた華は「命を懸けてやってきた公演の一員になれて幸せ」という趣旨を、それぞれの言葉で語った。
信の三浦は、感極まった様子で涙を堪えながら「このカンパニーはすごい、強い」と話しはじめ「やっぱり初演なので色々大変なこと、ワークショップから、はじめて稽古場にセットが入った時など、色々な光景がフラッシュバックした」と思いを吐露。、さらに、コロナ禍でのアクションの多い舞台の大ロングランをやり抜くとの強い気持ちを持っていた反面で、いつ舞台が止まるのかとの不安をもあったと正直に打ち明けたあと「完走でよかったね!」と、全員に向けた心からの喜びの声をかけた。
その余韻が強く残る劇場で、18時公演大千穐楽の模様が配信された。大千穐楽のカーテンコールでは、メインキャストそれぞれの感動のあいさつがあった。
河了貂を演じた川島海荷は「このカンパニーが大好き!」と涙。隣の山口祐一郎が抱きとめ、小西遼生と共に、独特のヘアスタイルを整えて客席の温かな笑いを誘った。
昌文君の小西遼生は「清らかな気持ちでひとつずつのセリフ、場面ごとに稽古場からの日々を思い出していた。戦国時代だけれど全員と青春を謳歌していた気持ち。こんなに熱くなれる舞台はそうそうない」と語ったあと、どうぞ皆さんでご一緒にと促し「まずは何より、よくぞご無事で」と劇中のセリフを唱和した。
また、王騎役の山口が「お父さんも本当に幸せでした。皆様とまた劇場でお会いする日を楽しみにしています」と感無量の優しいほほ笑んだ。エイ政・漂の小関裕太は「険しい公演でした。1回、1回を生き抜くのがすごく大変な舞台で、その分生きがいがあって、毎日自分との闘いでした。皆が集まってこぶしを挙げながら『俺たちの勝ちだ!』というセリフに向かっていく日々が終わってしまうと思うとすごく寂しいです」と思いを語り「夢の中でまたセリフを言っているのではないかと思う。皆様の心のなかにも少しでもこの作品、このセリフたちが残ってくれたら嬉しいです」と、作品を作り上げた日々を振り返りながら話した。
最後に信を演じた高野が「さすがにうれしすぎて何を話していいか……」と言いつつも「(三浦)宏規たちの昼公演の千穐楽を間近で観て、ホッとしたし嬉しかったし、でも夜公演何があるかわからないという気持ちもあって」と、座長としての責任感の重さを語りながら、曇天から晴れた当日の天気になぞらえ「やっと晴れましたね!」に続けて、「『キングダム』風に言うと札幌天下統一を果たしました!」と高らかに宣言。万雷の拍手と共にやはり恒例の「キングダ」「ム~」が唱和された。