ノッポさんのモノクロ写真は「生前大変気に入っていたもの」 40年来の親友が明かす素顔

NHK教育テレビの子ども向け番組『できるかな』のノッポさんとして親しまれてきた俳優の高見のっぽさんが、昨年9月10日に88歳で旅立った。

高見のっぽさん【写真:はっとふる提供】
高見のっぽさん【写真:はっとふる提供】

マネジメント担当する古家貴代美さんが明かす生前のエピソード

NHK教育テレビの子ども向け番組『できるかな』のノッポさんとして親しまれてきた俳優の高見のっぽさんが、昨年9月10日に88歳で旅立った。

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生前より周りの人には「風のように逝くから。見てろよ」と常々話していたというのっぽさん。

「誰にでも分け隔てなく優しかったノッポさんの人柄をぜひお伝えいただければ幸いです」

そう話してくれたのは、マネジメントを担当する合同会社はっとふる代表の古家貴代美さん。のっぽさんとは40年以上の付き合いだ。

「のっぽさんから『人間というのは寿命がくれば、逝くのは当たり前のことだから、自分のことで周りのみなさんを悲しませたり、大切な時間を邪魔したくない』とのっぽさんの優しさから半年経って公表させていただいたんです」

テレビではいつも器用に工作する姿が映っていたが、実は大の不器用で番組を辞めてから自ら創作をすることはなかったという。家では読書や麻雀が大好きで最近は『Mリーグ』を見るのが楽しみだったという。

「気の合うお仲間と一緒に麻雀を楽しんでいるときが『何より楽しい』と仰っていたのですが、ここ数年はコロナ禍でみんなで集まることができなくて、すごく残念がっていました」

のっぽさんを慕う仲間も多く、積極的に若い世代の相談にのっていた。

「のっぽさんに相談にくる若い人たちがたくさんいたんです。そんな深刻な話ではないんですが、仕事のことや家族のことなど、みなさんがモヤモヤしていることをのっぽさんに打ち明けるんですが、その時はのっぽさんはいつも心を込めておいしいコーヒーとかお茶を淹れてあげて、『ふーん』って言いながら聞いてあげるのが楽しみだったみたいです」

肉料理も大好きだったのっぽさんは、知人のシェフが遊びに来ると、いつも仲間たちと食卓を囲んでシェフの料理に舌鼓を打っていたという。

「ステーキが大好きで、お友達のシェフといつも冗談を言い合って楽しんでいました」

そんな自由で優しいのっぽさんが亡くなり、古家さんもこの半年は思い出話もできなかったという。

「のっぽさんが亡くなって、今年の年明けくらいまで本当に苦しかったんですけど、ようやくノッポさんの思い出を話せるようになりました。『人間だけじゃなくて、動物、昆虫、植物、そして土や砂だって私たちにとってかけがえのない仲間なんだ』と作詞を担当した『グラスホッパー物語』でも語っていますが、人間は地球の一部分でしかないと常々仰っていたことを思い出しました。世界のニュースを見ながら『自分も含めて人間というのは、いくつになっても学ばない生き物だね』って人間の欲望の果てしなさに憂いていました」

最後に報道各社に提供したのっぽさんの写真について話をしてくれた。

「実はみなさんにお送りしたモノクロの写真は、生前のっぽさんが大変気に入っていたものなんです。最期までテレビに出ていた優しいのっぽさんのままでした」

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