米ユタ州の企業でクラスター、「感染対策無視」を指示が原因か…約半数が同時期コロナ感染
新型コロナウイルスを決して甘くみてはいけない。改めてそう思わされるような事件が米ユタ州で起きた。同州北部ユタ郡にある民間企業(名前未公表)で、従業員の48%にあたる68人がほぼ同時期に感染したのだ。何が起きたのか。
マスク着用やテレワーク、手洗いの励行等、基本的な感染対策ができていなかった
新型コロナウイルスを決して甘くみてはいけない。改めてそう思わされるような事件が米ユタ州で起きた。同州北部ユタ郡にある民間企業(名前未公表)で、従業員の48%にあたる68人がほぼ同時期に感染したのだ。何が起きたのか。
同郡保健局ではコロナ感染の拡大にともない、3月下旬にウイルス予防対策のガイドラインを公表していた。だが同企業は従業員に対して、「新型コロナウイルスのガイドラインに従う必要はない」と指示していたため、集団感染を発生させてしまった。
保健局職員は同郡の「デイリー・ヘラルド」紙に、「企業がとった行動は許しがたい。もちろん会社を営業停止にして、徹底した消毒作業を実施させます」と語った。同社ではマスク着用やテレワーク、手洗いの励行等、基本的な感染対策が全くできていなかった。感染発覚後、同局がクラスター対策による感染経路の探索を行うと、他の2社にも感染が広がっていたことが判明した。
同職員は「ガイドラインの無視は、人間1人の命だけでなく、家族や周囲にいる人たちの生命をすべて危機に陥れることになります」と注意を喚起した。
ユタ州のコロナ感染者総数はこれまで5300人強。全米の126万人強の中では少数だが、それだからと安心できないというのが今回の集団感染の意味するところか……。米国では今でも新たな感染者が毎日2万5000人ほどでている。