「ロッタンは天心に勝った、絶対に」 武尊のONE契約記者会見でCEOが語った“あの試合”の本音

元K-1三階級王者・武尊(team VASILEUS)と、「ONE Championship」CEOのチャトリ・シットヨートン氏が5月9日、都内で記者会見を行った。武尊はONEと正式に複数試合契約を結んだ。

会見に登場した武尊(右)とチャトリ・シットヨートン氏【写真:ENCOUNT編集部】
会見に登場した武尊(右)とチャトリ・シットヨートン氏【写真:ENCOUNT編集部】

「実際に天心選手が勝ったと思っている方はどれだけいるでしょうか?」と問いかける

 元K-1三階級王者・武尊(team VASILEUS)と、「ONE Championship」CEOのチャトリ・シットヨートン氏が5月9日、都内で記者会見を行った。武尊はONEと正式に複数試合契約を結んだ。

「武尊選手がONEと契約を結んだこの瞬間こそ、日本の格闘技における最大の出来事だと私は信じております」と話したチャトリ氏は、武尊を同団体に迎え入れるにあたり、魔裟斗や那須川天心といった日本のスター選手に関して持論を訴えた。

「魔裟斗選手も天心選手も、日本の中で戦っていた日本のチャンピオンです。例えて言うならば、日本のプロ野球でしかプレーしていない野球選手と同じです。大谷翔平選手は日本を飛び出し、メジャーリーグという大舞台で努力を続け、そして世界で最高のポジションを努力とともに獲得した選手です。武尊選手は勇敢にも格闘技界の大谷翔平になるために、これから日本を飛び出し、大きな大きな一歩を踏み出していくことになるわけです。今まさに格闘技においてその大きな偉業を成し遂げようとしているわけです」(チャトリ氏)

 魔裟斗といえば、「K-1 WORLD MAX 2003・2008」において世界王者に輝いている。那須川天心は2020年の「RISE」で現ONEフライ級ムエタイ王者のロッタン・ジットムアンノンを判定で下し、42戦42勝という戦績でキックボクシングのキャリアを終え、ボクシングに転向した。

「もちろん魔裟斗選手のことも天心選手のことも武尊選手と同じように大好きですし、ファンです。しかし真実を言うならば、日本で戦ってきた日本のチャンピオン、すなわち日本で試合をしているということはやはり日本のチャンピオンに採点が甘くなることが多々あったと思います」(チャトリ氏)

 いまや「ONE Championship」のスター選手であるロッタンの敗戦に、チャトリ氏はいまだに納得がいっていないようだ。

「日本で試合をしたロッタン選手と天心選手、皆さん結果はご存知だと思います。結果的に天心選手が勝ったということになっておりますけれども、実際に天心選手が勝ったと思っている方はどれだけいるでしょうか? 絶対、絶対、ロッタンが天心に勝った。“ONE”に絶対こういうことはない」

 これに対して武尊は、「今日の会見を見てもらえばわかると思うんですけど、すごいパワーがある方だなと思う。結構口は荒いのかなと思うんですけど、選手へのリスペクトっていうのはすごい感じる方だなと思う」と話した。

 日本キックボクシング界には、武尊選手以外にもすでに「ONE Championship」への出場を熱望しているトップ選手たちがいる。今後、彼らと複数契約を結ぶ可能性はあるのだろうか。

「彼(武尊)の契約によって、日本からもまたさらに契約したいという選手が増えてくる。そしてスターができてくると思います。大谷(翔平)選手のように、またかつてシアトルマリナーズ渡ったイチロー選手のように、大きなリスクを取って世界に進出していくわけです。まずは武尊選手がビッグスターになって、彼が日本の格闘技界にインスピレーションを与えるような存在になってほしいです」(チャトリ氏)

 武尊が望む「日本VS世界」キックボクシング対抗戦が実現するには、まずは武尊が「ONE Championship」に集まる海外のトップ選手たちを倒していく必要がありそうだ。

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