米航空会社が“1席空き”に追加料金プラン 「ひと儲け」との非難浴び、取り下げ決める
新型コロナウイルスの影響で交通機関でのソーシャルディスタンスをどのように確保するかが検討される中、米フロンティア航空が「ソーシャルディスタンスアップグレードを販売する」という計画を打ち出したが、「ソーシャルディスタンスでひと儲け」しようとしているなど、多数の非難を浴び取り下げたようだ。
約4100円支払えば隣が空席となった席に座ることができるプランを打ち出していた
新型コロナウイルスの影響で交通機関でのソーシャルディスタンスをどのように確保するかが検討される中、米フロンティア航空が「ソーシャルディスタンスアップグレードを販売する」という計画を打ち出したが、「ソーシャルディスタンスでひと儲け」しようとしているなど、多数の非難を浴び取り下げたようだ。
「フロンティア航空が39ドル(約4100円)でソーシャルディスタンスアップグレードを販売。連邦議会の民主党議員は愕然」との見出しで米紙「ワシントンポスト」が特集。記事内では、フロンティア航空がソーシャルディスタンスを保つ方法として、39ドル支払えば飛行機で空席となった席の隣に座ることができるプランを計画しているとしていた。
フロンティア航空のバリー・ビッフルCEOは「皆様の健康を守るためにフェイスカバーを必須とすることがベストな対策だと考えていますが、安心や快適さを求めて空席の隣を希望する方に『モアルーム』をオファーします」と今回の計画の理由を説明。しかし、他航空会社も乗客を話す対応をしているが、追加費用を求めることはしていなかった。
そのため、民主党で下院運輸委員会の委員長を務めるピーター・デファージオ議員は「航空会社がソーシャルディスタンスのルールをひと儲けする機会として考えるなんて信じられません。乗客に中央を空席にする費用を負担させるフロンティア航空の決断は、乗客の不安、健康と安全への懸念を利用しています」と非難の声明を発表。さらに、同じく民主党のエイミー・クロブシャー議員も「追加料金を支払えない乗客が他の乗客よりも安全でなくなることは適切ではありません」と批判していた。
そして、このような多くの批判を受け、フロンティア航空はその後、「ソーシャルディスタンスアップグレード」を取り下げることを発表した。米テレビ局「NBCニュース」が伝えたところによると、ビッフルCEOは「安全から利益を得ようとしているという懸念は理解できます。意図したことではありませんでした。お客様に追加スペースの選択肢を提供したかっただけです」と弁明している。
新型コロナウイルス感染防止策を取るために追加料金を求めるフロンティア航空の計画は、結果的に取り下げるに至ったが米国内で波紋を広げた。