コロナ禍で一変したニューヨーカーの暮らし(前編) 外出規制で進むオンライン交流
在宅勤務者が抱える子供との過ごし方
ニューヨーク州は夏休みまでの今学期中の休校措置を継続することが決まっている。多くの会社員が在宅勤務に切り替わったが、保育所やベビーシッターを利用できないため、仕事と子育ての両立も大きな問題だ。ニューヨークのクイーンズ区在住で10年以上パーソナル・トレーナーとして活動するエリック・ポテンパさん(37)はオンラインでトレーニングを提供。在宅勤務で子育てするクライアントが多いそうで「家で仕事と子育てを両立する親のストレスが問題になっています。そのため、家で子供と一緒にできるトレーニングを求められるようになりました」と話す。
また、ポテンパさんはSNSで心理カウンセラーのカウンセリング動画を配信してメンタルのサポートにも力を入れる。「単身のクライアントの多くが心のストレスを抱えているため、瞑想やヨガのプログラムを取り入れたり、会話を通してカウンセリングもするようになりました。ポジティブな反応があると、自分なりの社会貢献ができたと思い、心が満たされます」。
さらに、女性が体に抱きつくようにしがみつき、スクワットをするというようなユニークなトレーニング法も紹介。「暗いニュースばかりで気が滅入ることが多いので明るい気持ちになれるようなプログラムを考えるようになりました。外出規制が出て以降、多くの人がパートナーや家族と一緒にスポーツ感覚で楽しめるような運動を求めています」。
医療従事者がヒーローであることは言うまでもないが、一般の市民一人ひとりが社会のためにいまできることを見つめようとしている。(後編に続く)