舞台で活躍の元SKE48高柳明音、コロナ禍での卒業の心境を告白「転機と思えなかった」

2021年のSKE48卒業後、舞台を中心に活躍する高柳明音(31)の最新舞台はミステリの女王、アガサ・クリスティーの名作が原作、凰稀かなめ主演の『ホロー荘の殺人』(5月3~8日、三越劇場、演出・構成=野坂実)。ミステリー出演は久しぶりだそうで、役への意気込み、今後の夢を語った。

『ホロー荘の殺人』で自身が演じる役について語る高柳明音【写真:冨田味我】
『ホロー荘の殺人』で自身が演じる役について語る高柳明音【写真:冨田味我】

舞台『ホロー荘の殺人』に出演、語った役への意気込み、今後の夢とは

 2021年のSKE48卒業後、舞台を中心に活躍する高柳明音(31)の最新舞台はミステリの女王、アガサ・クリスティーの名作が原作、凰稀かなめ主演の『ホロー荘の殺人』(5月3~8日、三越劇場、演出・構成=野坂実)。ミステリー出演は久しぶりだそうで、役への意気込み、今後の夢を語った。(取材・文=平辻哲也)

『ホロー荘の殺人』はクリスティーの人気作で、ロンドン郊外にあるホロー荘で起こった殺人事件をめぐるミステリだ。共演には紅ゆずる、林翔太、旺なつき、綾凰華、佐々木梅治(劇団民藝)、河相我聞、細見大輔、松村優、中尾隆聖という実力派が勢ぞろいした。高柳の役は貴族の血を半分しか継いでいないことがコンプレックスだが、気は人一倍強いミッジ・ハーヴェイ。

「地位の差がある相手に恋する役ですが、演出家さんからは『ミッジは結構はっきりものを言う人なので、強い感じでいてほしい』と言われました。私はミッジのように怒ったりもしませんが、一つうれしいことがあったら、気分が上がってしまうところは似ているかもしれない。裕福な登場人物の中でミッジは働かないと生きていけないという役なんですけど、高級な服はいらないという庶民感覚も似ていますね。私、100均大好きなんです」と笑う。

 舞台を始めて約10年。SKE48卒業から2年。今は舞台が主戦場になっている。

「毎日新鮮です。慣れたら終わりだと思っているので、自分自身があんまり慣れないようにはしているんですけども。私はお客様の感想を見るのが好きで、そこに意義、生きがいを感じながらやっています。コロナ禍では本当に人が入らない状態を見てきましたが、今回はみなさんに結構、期待していただけているのかなと思っています」

 女優業はSKE48時代からやりたいと思っていた。

「最初はアイドルになりたいと思っていましたが、いろんな楽曲を歌う中で、楽曲のキャラクターを演じる、その世界観を演じるっていうのがめちゃくちゃ楽しかったんです。私は自分にあんまり自信がないのですが、演じている時は自信が持てる。1年目ぐらいから、いずれは女優になりたいっていう風に思っていました」

 SKE卒業はコロナ禍に重なってしまった。20年3月15日に横浜アリーナにて卒業コンサートが行われる予定だったが、延期。2021年4月に卒業となった。生活はアイドル時代からどのように変わったのか。

「ライブがないのが1番大きくて、劇場公演でお客さんとぶつけ合う熱がなくなった。(コロナ禍で活動できず)1年ぐらい、ほぼ無職みたいな時間があったので、そこで心の準備ができたという感じもありました。運動量がめっちゃ減って、太ってしまいました。それって、“AKB卒業メンバーあるある”みたいなんです。最近、卒業したメンバーも同じこと言っていました。私の場合、ラーメンが好きすぎるんです。運動量が減っても、そのままラーメン好きが続いちゃって……。今はダイエット中です。プロテイン生活で4~5キロ落としたいですね」と苦笑い。

アイドル時代を振り返った高柳明音【写真:冨田味我】
アイドル時代を振り返った高柳明音【写真:冨田味我】

アイドル時代は「おかしい分量の仕事していました」

 アイドル時代は多忙を極めたが、仕事自体は大好きだった。

「振り返れば、おかしい分量の仕事していましたね。朝から晩まで何やってるか、どこにいるかわからないぐらい。でも、天職だと思っています。私は自信がない分、仕事で求められたら、スイッチが入って、ちゃんとできるタイプ。一方、自分自身のことがホント適当で、自分にお金もあんまりかけてあげない。それよりも仕事がやりたくて、仕方がない」

 趣味や好きなことも仕事に直結している。趣味のカメラは個展を開催するほどの腕前で、第1回の個展では10日間開催で1万3000人の来場者が詰めかけた。その後、新宿高島屋、京急百貨店、近鉄本店などで毎年定期的に開催している。愛知の実家では現在3羽の鳥を買っている。

「鳥を撮ったり、旅行に行けば、そこで風景を撮ったり。SNSにアップしたり、いつか写真展ができたらいいなと思ってしまう。完全に仕事を忘れている時って、あるのかなと思うくらい。鳥は一番上の子が15歳、めちゃくちゃ元気なんですけど、鳥の寿命を考えたら、いい歳なので、会える時に会っておきたいんです。今は母が面倒を見てくれていますが、家族よりも鳥の心配ばかりをしています」

 今は舞台が中心だが、映像にもっと挑戦したいのだという。

「アイドルはなんでも屋さんだったので、いろんなことがしたいなっていう気持ちが強いですね。お喋りも好きだし、バラエティーも好きだし、ドラマもやってみたい。今、一番やりたいのは映画です。映画は表現の幅も広いですから。今はまだ思うようにはなっていないので、もがいている感じですね。常に全部やりたい人間だから、きっと一生満足することがないんでしょう」。根っからの仕事人間という高柳。SKE卒業はコロナ禍のため、転機だとは感じられなかったそうで、「今、転機を求めています!」と話す。鳥好きだけに、さらなる飛翔を誓った。

□高柳明音(たかやなぎ・あかね)1991年11月29日生まれ。愛知県出身。2009年にSKE48第2期オーディションに合格。飼っている鳥の鳴き声から“ちゅり”の愛称で親しまれる。2021年にグループを卒業。現在は女優業を中心に、バラエティやラジオパーソナリティーとしてもマルチに活動中。血液型:B型154センチ。特技・料理、カメラ、セルフネイル。

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