40歳の金原正徳が見せた“忘れてはいけない感情”「俺らのカードいらねぇじゃん」【RIZIN】

金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)が山本空良(パワーオブドリームジム)に判定勝ちを収めた。40歳のベテランと22歳の若手の対決。金原はMMA巧者の貫禄で山本を寄せ付けなかった。

複雑だった胸中を明かす金原正徳【写真:ENCOUNT編集部】
複雑だった胸中を明かす金原正徳【写真:ENCOUNT編集部】

ケラモフ指名の理由も明かす

格闘技イベント「FEDELTA presents RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI」(2023年4月29日、東京・代々木第一体育館=ABEMAで全試合生中継)第2試合、フェザー級(66キロ)RIZIN MMAルール 5分×3R

 金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)が山本空良(パワーオブドリームジム)に判定勝ちを収めた。40歳のベテランと22歳の若手の対決。金原はMMA巧者の貫禄で山本を寄せ付けなかった。

 試合前には金原の負け予想や若手の勝利を願う声もあったが、蓋を開けてみれば金原の完全勝利だった。1Rにはダウンも奪い、スタンドでもグラウンドでも相手をコントロールしていた。圧倒的な強さを見せ、勝利。試合後にはヴガール・ケラモフに対戦要求した。

 圧倒的に強かった。だからこそ本人にとって今回のカードはプライドを傷つけていたようだ。

「試合前からいろいろ言われているのも自分でも目にしました。それも結構つらかったんですよね。比べられるのもちょっと嫌だった。試合前に相手の映像を全く見ていなかったというのも、そういう部分がある」

 さらに注目度についても複雑な思いを抱いていた。今大会は牛久絢太郎―朝倉未来、斎藤裕―平本蓮のダブルメインで行われた。対する同じ階級の金原は2試合目だった。

「上の2カードしか注目されてねぇから、別に俺らのカードいらねぇんじゃないのかって思う時期が結構あった。別に上の2カードだけで大会やればいいんじゃないかとか思ったし、自分のカードも2試合目だった。自分がやってきたことを否定じゃないですけど、『こんなものなのか』と思った。変な言い方かもしれないけど、嫉妬とかではなくて『こんなものなのか』と。辛い時期には思っていました。いろいろな感情になることがあって精神は不安定でした」

 それでも出場することを決めた。「MMAは自分が試合をするって決めたからやりきらなきゃいけないな」。その一心で、作り上げてきたという。

「相手を選ばないケラモフが自分としては良いのかな」と次戦に希望を明かした【写真:(C)RIZIN FF】
「相手を選ばないケラモフが自分としては良いのかな」と次戦に希望を明かした【写真:(C)RIZIN FF】

 なぜケラモフなのか。金原は「選手として長くもできないから最後に自分が追い求めたMMAを自分が認める選手とやりたいなと思っています」と心境を明かす。

 そのわけを「空良くんみたいな若い子とやるのもすごく良いとは思いますけど、見てもらって分かる実力差があった。このカード、自分にとって何の意味があるのだろうと思う。空良くんにとっては良い経験になったと思うけど、自分にとっては正直なかった。そのカードをもう1度やるくらいなら自分の体をかけて『ケラモフとやりたい』にたどり着いたんです」と語る。

 金原にとっての最強はクレベル・コイケだというが、時間がない。さらに「クレベルは試合が決まってしまっているので、そのほかと考えたときにケラモフが1番強かった。この間の堀江圭功くんの試合を見て強いと思いました。日本人と僕がやっても意味はないと思うから相手を選ばないケラモフが自分としては良いのかなと思います」と猛アピールしていた。

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