大河で横浜流星が演じる人物とも交流 江戸をわかせた狂歌の名人、偉業まとめた企画展が開催

狂歌の名人「蜀山人(しょくさんじん)」こと大田南畝(おおた・なんぽ 1749~1823)の没後200年を記念した特別展『江戸の知の巨星 大田南畝の世界』が29日から、東京・墨田区の「たばこと塩の博物館」で始まる。大田南畝は俳優の横浜流星が主演する2025年放送予定のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で描かれる江戸のメディア王・蔦屋重三郎や、浮世絵師の喜多川歌麿、学者の平賀源内などと交流した人物。7つの章で構成される企画展では自筆の書物、版本や肉筆画、版画など約180点を通して、その業績を紹介している。

会場となる、たばこと塩の博物館【写真:ENCOUNT編集部】
会場となる、たばこと塩の博物館【写真:ENCOUNT編集部】

自筆の書物、肉筆画など180点を公開

 狂歌の名人「蜀山人(しょくさんじん)」こと大田南畝(おおた・なんぽ 1749~1823)の没後200年を記念した特別展『江戸の知の巨星 大田南畝の世界』が29日から、東京・墨田区の「たばこと塩の博物館」で始まる。大田南畝は俳優の横浜流星が主演する2025年放送予定のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で描かれる江戸のメディア王・蔦屋重三郎や、浮世絵師の喜多川歌麿、学者の平賀源内などと交流した人物。7つの章で構成される企画展では自筆の書物、版本や肉筆画、版画など約180点を通して、その業績を紹介している。

 1749年に東京・牛込(現:新宿区中町)で生を受けた大田南畝は、御家人という低い身分ながら幼少より積み重ねた豊富な知識と機知をもって、文芸界でも活躍。企画展には18歳のときに初めて世に出した書物『明詩擢材(みんしてきざい)』のほか、翌年発表し、その名を江戸中にとどろかせた狂詩文集『寝惚(ねぼけ)先生文集』など貴重な資料が並んでいる。

 江戸の風俗や流行を描いた狂詩文集のほか、同時代の事件や歴史的な典籍まで、見聞きしたあらゆるものごとを書き残した大田南畝。『一話一言』に記した「元文三午年大坂堀江橋近辺かつらや太郎兵衛事」は、小説家の森鴎外が『最後の一句』のモチーフにするなど、表現者たちにも多くの影響を与えている。

 たばこと塩の文化を伝える同館ならではの視点として、大田南畝の生涯の節目ごとに彼を支えた知友で、たばこ屋の平秩東作と蘭奢亭薫との交流も紹介。展示は6月25日まで行われる。開館は午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。毎週月曜休館。入館料は小中高生と65歳以上(要証明書)は50円。大学・一般は100円。問い合わせは同館03-3622-8801へ。

次のページへ (2/2) 【写真】江戸中の話題をさらった狂詩文集『寝惚(ねぼけ)先生文集』
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