米国で新型コロナ疑いも“たらい回し”で夫が死亡 妻が悲しみ語る「本当に悪夢」

日本で新型コロナウイルス検査時の保健所による“たらい回し”の問題が深刻化しているがしているが、新型コロナウイルスの感染拡大で感染者110万人、死者6万8000人を記録している米国で検査時と救命治療(ER)で再三に渡るたらい回しで男性が犠牲となり、米メディアで波紋を広げている。

米国でもたらい回し問題が深刻化(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
米国でもたらい回し問題が深刻化(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

夫人のパメラさんも新型コロナに感染しウイルスと闘っている

 日本で新型コロナウイルス検査時の保健所による“たらい回し”の問題が深刻化しているがしているが、新型コロナウイルスの感染拡大で感染者110万人、死者6万8000人を記録している米国で検査時と救命治療(ER)で再三に渡るたらい回しで男性が犠牲となり、米メディアで波紋を広げている。

「これは悪夢だ。最初検査を拒否され、ERで2度拒否されたアイオワの男性がコロナウイルスで死亡」と見出しで報じたのは米地元紙「USAトゥデー」だった。

 アイオワ州の人口2万8000人の町マーシャルタウン在住で整備師として働いていたカイル・ブラウンさんは4月29日(日本時間30日)に新型コロナウイルスの合併症でこの世を去った。記事によると、最後の12日間は壮絶なたらい回しの日々だったという。

 ブラウンさんは4月17日(同18日)に胸の痛みと咳に襲われ、高熱と体の痛みも訴えていた。翌日検査を受けようとしたが、65歳以下で地元の食肉加工工場の従業員でないことを理由に検査を拒否されたという。

 ブラウンさんと夫人のパメラさんは医療機関を5度も往復したという。検査の拒否は2度。ブラウンさんが会話が困難な状況に悪化したために、マーシャルタウンと近隣のニュートンのERまで車で向かったが、看護婦に電話で「受診が必要」と伝えられたはずの病院でも、杓子定規の対応で受診できなかったという。

 血中酸素濃度の低下が深刻化した4月4週目に5度目のトライで、ようやく地元の病院で診察を受けることができたブラウンさん。そして、数日後、救急機で州都デモインの病院に搬送されたという。パメラさんがマーシャルタウンで新型コロナウイルスの苦しみと戦う中、夫はこの世を去ったという。

「ハグもできなかったのが、本当におかしなことです。この喪失を受け入れるのは非常に難しく、さらには病気でずっと隔離されている。本当に悪夢です」

 新型コロナの症状に未だに苦しんでいるというパメラさんは夫の死を孤独に耐えているという。「この一連の出来事はとってもストレスの募るものでした」新型コロナとたらい回しの悲劇に、残された妻は悔やんでも悔やみきれない様子だった。

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