「メッタ刺しにして殺す」港区選候補に殺害予告2万件 「暴力による排除は許されない」

ソーシャルメディアインフルエンサーで東京・港区議会議員選挙(16日告示、23日投開票)に無所属で出馬している新藤かな候補が20日、新橋駅前のSL広場で街頭演説を実施。取材に、選挙戦前から執拗(しつよう)に行われているという殺害予告の被害を訴えた。

殺害予告被害を語った港区議会議員選挙候補の新藤かな氏【写真:ENCOUNT編集部】
殺害予告被害を語った港区議会議員選挙候補の新藤かな氏【写真:ENCOUNT編集部】

すべて異なる文面で書かれた脅迫メールが1週間で2万通も寄せられた

 ソーシャルメディアインフルエンサーで東京・港区議会議員選挙(16日告示、23日投開票)に無所属で出馬している新藤かな候補が20日、新橋駅前のSL広場で街頭演説を実施。取材に、選挙戦前から執拗(しつよう)に行われているという殺害予告の被害を訴えた。(取材・文=佐藤佑輔)

 最初の殺害予告があったのは、出馬を表明し選挙戦を間近に控えた今月1日。「新藤かなをナイフでメッタ刺しにして殺す」「一人だと危ない」など、すべて異なる文面で書かれた脅迫メールが数秒おきに届き、その数は1週間あまりで2万件にも及んだという。その後警察に通報、現在は所轄の警察署に被害届が受理されている。

「長く活動してきて、これまでにも『死んでほしい』などの誹謗中傷は多々ありましたが、具体的な方法にまで言及した殺害予告が送られてきたのは初めて。それも膨大な量で、本当に怖かった。心当たりはありませんが、出馬を表明し、立候補する直前のタイミングだったので、私の政治信条への反対か、他陣営からの間接的な嫌がらせなのか……。いずれにせよ何らかの形で選挙戦に絡んだ妨害行為であると思います」

 実際に数日間は身の安全を最優先せざるを得ず、街頭に立てないなど選挙活動にも大きな支障をきたしたという。奇しくも告示前日には、応援演説で和歌山を訪れた岸田文雄首相を狙い爆発物が投げ込まれるという事件もあった。

「昨年の安倍さんの事件でもそうですが、たとえ政治信条を異にしてもそれを暴力で排除するのはあってはならないこと。それがこの短期間で2度も起こった。一部メディアや論者の中には事件を起こした容疑者を称えるような風潮もあり、それが模倣犯を生んだ面もあったのでは。暴力による言論の自由の排除には断じて許さないという姿勢を示していくことが大事だと思います」

 大詰めを迎えている選挙戦に向けては「大きな手応えを感じていますが、この港区は本当に素晴らしい候補者の方がたくさんいて、厳しい戦いであること間違いありません。一方で、実は投票率がワーストに近いのもこの港区。今回、私が出るから初めて投票に行ったよという同世代の友達もいて、若い世代の投票率向上に少しでも貢献できているのはうれしいこと。政治は無関心ではいられても、無関係ではいられない。自分の当選はもちろんですが、若い世代にもっと政治への関心を持ってもらうためにも頑張っていきたい」と意気込みを語る。

「地方議員は本当にたくさんいて、名前を知られていない人も多く、正直、有権者からの監視の目が行き届いているとは言いづらい状況です。中には当選しても何もやらない議員も大勢いる。そんななかでも、私は5万人のフォロワーからの監視の目があると思って選挙戦に臨んでいます。当選したら、緊張感を持って4年間の公務にあたっていきます」

 警察の捜査の行方を気にしながらの、異例の選挙戦が続いている。

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