米テキサス州のレストランで客が「会計を倍に」と要望 チップも支払い、約22万円“支援”

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、米国テキサス州では4月30日(日本時間5月1日)に外出禁止令が解かれた。同州オースティンにあるレストラン「フロッグ&ザ・ブル」は、1日(同2日)に営業を再開。オーナーのデビッド・フェルナンデスさんがその日の忘れられない出来事を米メディア「CNN」に語った。

テーブルを消毒し、営業再開の準備をするレストラン従業員(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
テーブルを消毒し、営業再開の準備をするレストラン従業員(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

客は、コミュニティに貢献してくれていることを店に感謝

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、米国テキサス州では4月30日(日本時間5月1日)に外出禁止令が解かれた。同州オースティンにあるレストラン「フロッグ&ザ・ブル」は、1日(同2日)に営業を再開。オーナーのデビッド・フェルナンデスさんがその日の忘れられない出来事を米メディア「CNN」に語った。

 同レストランは、新型コロナウイルスの影響で営業を停止した時、オープンから5か月も経っていなかった。新型コロナウイルスによる影響は大きく、フェルナンデスさんは大半の従業員の解雇を余儀なくされ、最小限度の人員とテイクアウトや宅配で乗り切ろうとしていた。

 営業再開を心待ちにしていたフェルナンデスさんや従業員だが、ある客からの営業再開祝いが特別なものになったという。

 1日(同2日)、レストランに訪れた男性とその家族は、フィレミニヨン、ホタテ、ステーキなどを注文。会計は337ドル(約3万6000円)であった。さらに驚くことに、その客は店員に代金を倍にするように頼んだというのだ。従業員のジョシュ・ピコフさんは、そのようなリクエストを受けたことがなかったため、フェルナンデスさんに尋ねた。

「お客さんが代金を倍にするように言ったと彼から伝えられ、私は『本当に?』と聞きました」

 フェルナンデスさんは驚きながらも伝票を作成。客は倍となった新しい伝票を受け取った。これのみならず、300ドル(約3万2000円)のチップをピコフさんに、さらに「店に」と、1000ドル(約10万7000円)を支払った。その合計金額はなんと2029ドル(約21万7000円)であった。

 ピコフさんは「なぜ僕に支払ってくれるのか分かりませんでした。でも、彼はレストランが営業を再開し、リスクの高い中、コミュニティに貢献してくれていることに大変感謝していると言っていました」と、驚きを隠せない様子。フェルナンデスさんは「本当に言葉になりません。極めて寛大なことであり、とても驚きました」と感謝の気持ちを述べた。

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