【オヤジの仕事】“クラシック界のエリート”バイオリニスト・古澤巖さんが語る“今だからできること”
新型コロナウイルス感染拡大の影響で不眠を訴える人が増え、快眠を促す快眠CD「Dreams」(ハッツ・アンリミテッド)が再注目されている。2007年にゴールドディスク大賞企画賞を受賞したCDだが、本作をプロデュースしたのがバイオリニストの古澤巖さん(60)だ。NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」などで俳優としても活動しているが、音楽家はコンサートが次々と中止・延期になるなどコロナの影響をいち早く受けているはず。古澤さんはどう過ごしているのか。古澤さんに聞いた。
古澤さんにとって、今は“神様がくれた休日”
新型コロナウイルス感染拡大の影響で不眠を訴える人が増え、快眠を促す快眠CD「Dreams」(ハッツ・アンリミテッド)が再注目されている。2007年にゴールドディスク大賞企画賞を受賞したCDだが、本作をプロデュースしたのがバイオリニストの古澤巖さん(60)だ。NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」などで俳優としても活動しているが、音楽家はコンサートが次々と中止・延期になるなどコロナの影響をいち早く受けているはず。古澤さんはどう過ごしているのか。古澤さんに聞いた。
コンサートができなくなって残念です。家族を養うために、初めて音楽以外のことでアルバイトをしているという音楽家の話も聞きます。大変な状況です。僕はただ家にいて、自粛生活を耐えて過ごしています。でも、実は僕は耐える、我慢する、ということがつらくはないんです。なぜかというと、子供の頃から1日12時間とかつらい練習漬けの毎日を送っていたので、やりたいことを我慢した経験はこれまでもいっぱいありましたから。僕の両親は大変真面目な人で、一度バイオリンを始めたからにはとことんやり、続けるのが当たり前という考えだったので、僕は子供の頃、嫌いな練習をするために友達と自由に遊べないのはもちろん、遠足も修学旅行も行けなかったんです。
大人になった今は逆に、音楽家は「音楽家だから」と我慢せずにすんでいることがたくさんありますし、音楽にファンタジーを求めて現実逃避できます。それに、これまで僕は1年中ツアーで日本全国を回り、ステージのないお正月はスタジオにこもりきり、という生活を何年も送ってきました。馬車馬のように働いてきたので、今は“神様がくれた休日”のようにありがたく感じています。何もしなくていいお正月がず~っと続いているような感覚なんです。
かといって、家で寝て過ごしているわけにもいかない。じゃあ、何をしているかというと、自分でも意外なんですけど、バイオリンの練習をしているんです(笑)。普段はなかなか時間がなくて、ゆっくり腰を据えて練習できないので、時間のある今は楽器の持ち方を変えようとか、ちょっと時間をかけなきゃできない大胆な試行錯誤をしています。あと、すごく難しくて、これまでお客さんの前で弾かなかった曲を練習しています。そして、普段は練習に飽きたら、海へ出かけて趣味のサーフィンをしているんですけど、今はできない。だからやっぱり、またバイオリンを弾いています。