櫻井翔、“言葉の展覧会”開催 貴重な取材メモも展示「一文字たりとも読み逃さないで」

嵐の櫻井翔が個人として初めての展覧会『櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE』を、東京の六本木ミュージアムにて4月14日~5月24日まで開催する。14日からの開催にあたり、櫻井本人のコメントが解禁された。

展覧会を開催する櫻井翔
展覧会を開催する櫻井翔

六本木ミュージアムで4月14日~5月24日まで開催

 嵐の櫻井翔が個人として初めての展覧会『櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE』を、東京の六本木ミュージアムにて4月14日~5月24日まで開催する。14日からの開催にあたり、櫻井本人のコメントが解禁された。

 2019年開催『ARASHI EXHIBITION “JOURNEY” 嵐を旅する展覧会』をまとめた図録の制作時、櫻井がページや写真にさりげなく言葉を添えた。その言葉の力や温もりに感銘を受けた図録の出版プロデューサーのひと言がきっかけとなり、22年6月から打ち合わせを開始。本展開催に至った。

 嵐、歌手、作詞家、キャスター、司会者、俳優など、さまざまな立場や活動を通じて、何かを「伝え続けて」いる櫻井。この展覧会は、硬軟あわせた「伝え続ける人」櫻井翔その人となりと、その視線の先に見ているものを、視覚化し、共有するものとなっている。

 インスタレーションの『SHO ROOM』では、取材に過去8大会臨んだオリンピックや、報道番組での取材メモ、嵐のラップ詞を書きためたノート、会員向けモバイルサイト Johnny’s webでの連載『オトノハ』をしたためてきた歴代の“ガラケー”とPC、青少年時代に影響を受けた映像作品など貴重な私物を展示し、櫻井の“言葉”を形成してきたその原点に触れられる『SHO ROOM』が紹介される。

 また、『NO MORE WAR』では、真珠湾攻撃・日米開戦80年の2週連続特別企画として、Newsweek 日本版に『櫻井翔と戦争の記憶』の特集が掲載された。このたびはその特集のための取材をに、海軍士官として戦没した櫻井大伯父の最期までをたどった貴重な史料や写真を立体的に展示。

 そのほか、ラップ詞とサウナを活用した『サクラップサウナ』、東日本大震災以降、『news zero』で被災地を取材してきた映像を編集した『来年も再来年も』、AYAKA FUKANO氏とコラボレーションして誕生した1冊の絵本にまつわる『ありがとうの交換。的な。』などが展示される。

 櫻井のコメント全文は以下の通り。

――改めて、そもそもの「始まり」とは。

「僕の言葉を面白がってくれた人がいた、というのが『始まり』ですね。Journeyの図録に書いた前書きと後書きを見たスタッフが『櫻井くんの言葉は面白いですね。言葉の展覧会とか興味ある?』『やってみませんか?』と言ってくれて。僕としては、『そんなこと出来るの!?』って驚くばかりで(笑)。これまで仕事で数々の美術館とか展覧会を見させてもらったけれど、ほとんどがアートだったから。本当に実現するのかな? 面白いものになるのかな? という不安がありましたが、いろんなセクションのプロ、一流の人たちが集まってくれて。それこそ、自分には想像もつかないような展示になったと感じています」

――昨年の6月から準備を始めて。ここまでの思い出、喜びややりがい、苦心した点とは。

「みんなでブレストで意見を出し合っていくと、いろいろ形になる案もあれば、浮かんでは消えていく案もあって。『これは結果的に自分の首を絞めるかもしれないんですけど……』という自らの提案もいくつかあって(笑)。それこそ、展示と同時にグッズの『ことばの箱』にも入れた『10年後の自分への手紙』とかはまさにそうなんだけど。案の定、スタッフが面白がってくれたから『じゃあ、やるか!』ってなったものの、一番難しかったかもしれない。『それで、何を書けばいいんだろう?』という(笑)。ただ……本当に(『SHOROOM』で展示の)ガラケーにせよ、(『僕です。』で展示の)週記帳にせよ、実家に、あるいは自分の家にあるだけでは、“ただの物”であり、ともすれば“ガラクタ”だったものにも、スタッフと一緒に息を吹き込むことができた。救われた、報われたところがたくさんあったから。それはすごくよかったなと思う」

――いよいよ完成直前。自身で展示を巡ってみての率直な感想。

「ほんとすごいなぁ! と思いました。やっぱり言葉の展示は、アートとかともまた少し違から。展示というものに則しているかどうか? ということも僕の中では未知数だったんだけど。本当にさすが、展示のプロの方々が集まっているから。『こうやって表現するんだ? 伝えるんだ?』って。それはやっぱり……僕が自分の家でパソコンを叩いてるときには想像もつかない表現というか……すごいなぁって思いましたね」

――会場のいたるところに“小ネタ”の『僕です。』があるのも楽しい。

「これまで書いてきたもので構築していくと、やっぱりどうしても堅いものになってしまうんだよね。ラップとか音楽の要素があるにしても。そうなると結局、普段の僕の“ふざけた部分”があまりないかもね? となって(笑)。それでちょっとした息抜きというか、まさに小ネタという表現で見せることになりました」

――展示コーナーの所感、見どころ。

「展示されているもの全てが、本当に“これまでの積み重ね”なので。オトノハとかラップとか、今までファンの人に、あるいは自分のために書いてきたものの積み重ねと、“伝える”“取材”ということの一部と、あとは言葉×アートのコラボレーション。という、大きく3本立てなのかな。Newsweekの特集原稿(戦争)を書く時(2021年)に、調べても調べても出てこなかった、自分にとっての大伯父が乗っていた船の写真が、このタイミングで見つかったんですよ。Newsweekの時にお世話になった歴史家の先生、アメリカの歴史家の方がとにかくご尽力くださり、アメリカの膨大な資料を掘り起こしてくれました。この開催に際して、その新しい事実、新しい資料が出てきた、しかもそれがアメリカから出てきた、っていうのは、個人的に大きなトピックではありますね」

――開幕に向けて、今の心境。来てくださる方へのメッセージ。

「『このメッセージを伝えたい』とか、『未来へ、この提言があります』っていうような大それたことではなくて。これまでファンの人に、あるいは自分のために、蓄えてきた言葉たちを、自分のことを応援してくれている人に感じて欲しい。というだけのものだから。足を運んでくださる方がどう感じるか? というのは、全くの未知数ではあるんだけど。なんていうか……『一流のスタッフたちと手作りで、見てくださる方に喜んでもらえるものを、精一杯作りました!』っていうことなのかな。結局、説明が難しいんだよね。言葉の展示を、言葉で説明するっていうことが難しい(笑)。アートの場合、“感じる部分”という余白があるけど、展示が“言葉”である以上、この会場の中でその全ての説明が済んでいるようなものだから。なんなら『一言一句読み逃さないでくれ』っていう空間だからね。『ふらっと来て、流し見しても楽しめます』っていうよりは、『ごめんだけど、一文字たりとも読み逃さないでもらいたい』という(笑)。取材に来てくれたzeroのスタッフが、『前に知覧の特攻平和会館に行った時くらいの感覚』ってポロッと言ってくれたんだけど……それは僕にとっては褒め言葉で。情報量も多いし、正直疲れるかもしれないけれど、逃さず見てもらえるとうれしいです」

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