ムツゴロウさんへ、各界から追悼の声 坂上忍「約束を果たすことはできませんでした」

動物との交流を描くテレビ番組などに出演し、「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲さんが5日午後5時53分、心筋梗塞のため北海道中標津町の病院で死去した。87歳だった。ムツゴロウさんの死に、各界から追悼のメッセージが寄せられている。

坂上忍【写真:ENCOUNT編集部】
坂上忍【写真:ENCOUNT編集部】

小説家の増田俊也氏は秘話明かす

 動物との交流を描くテレビ番組などに出演し、「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲さんが5日午後5時53分、心筋梗塞のため北海道中標津町の病院で死去した。87歳だった。ムツゴロウさんの死に、各界から追悼のメッセージが寄せられている。

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 畑さんが最高顧問を務めていた日本プロ麻雀連盟は公式ツイッターで「日本プロ麻雀連盟の最高顧問として長年麻雀界の発展に尽くされたムツゴロウさんこと作家の畑正憲さんが4月5日、心筋梗塞のため亡くなられました」と報告。さらに「ムツゴロウさんは競技麻雀の礎を築かれ、黎明期から麻雀の普及に尽力されました。選手としても数々のタイトルを獲得されるなどご活躍されてきましたが、突然の訃報に接し、ムツゴロウさんの、あの粘り強い麻雀がもう見られないのかと思うと残念でなりません。ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、個人のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を評します」とつづった。

 親交のあったタレントの坂上忍も自身のブログに「ムツゴロウこと……畑正憲さんが逝去された。わたし達の世代は、動物といえばムツゴロウさん。動物番組といえば、『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』である。で、わたしとムツゴロウさんはといいますと……。動物繋がり……ではなく。最初は、麻雀繋がりだったんです。まぁ、お強い方でした。というか、しぶとい先輩でした。勝負に対する執念とでもいうのでしょうか、ほぼ降りない印象でした」と思い出を振り返った。

 さらに「ただ、気がつけば……。『坂上どうぶつ王国』という動物の番組を、わたしが任されるようになり……。それも、同じフジテレビさん。だったら、ご挨拶に伺わねばと……。初回のスペシャルは、北海道までムツゴロウさんに会いに行ったのです。久しぶりに、お会いしたムツゴロウさんは……。相変わらず、優しくて怖かったです。質問には、なんでも答えてくださいます。ただ、質問の仕方を間違えると……目の色が変わります。はい、麻雀の時の目になるんです」と当時の記憶を回想。

 そして「でも、だから甘えられるんですよね。わたし、優しいだけの人は逆に怖さを感じてしまうので。動物相手だけでなく、真剣になにかと向き合っていたら……怖くて当たり前ですから。う~ん……正確に言うと、『怖い』ではないんですけどね。で、実はその時お会いした際……約束をしたんです。『また、会いましょうね』って。わたしがもっともっと動物と向き合って、ムツゴロウさんに対しても……。もう少し、胸を張れるようになったら……必ず会いに来ますからって。で、麻雀をやりましょうって。残念ながら、その約束を果たすことはできませんでしたが……。報告には、いつでも行けますので。でも、まだダメです。全然、足りないので……。もっともっと、精進します!」と締めくくっている。

 小説家の増田俊也氏も「先月、大江健三郎さんが亡くなって畑正憲さん(ムツゴロウさん)が落ち込んでいると思い、手紙を送ったけれど返信がなかなか来なかった。体調を崩されていたのか、あるいは大江さんのことで体調を崩されたのか。でも畑正憲さんの評伝は必ず書きます。畑さん、長いあいだお疲れさまでした。合掌」とツイート。さらに続けて「畑正憲さん(ムツゴロウ)は、もともと純文学を志していました。しかしをそのために必死に修行していた東京大学時代、大学の文芸誌に、ある短編小説を見てそれを書いた才能のあまりのきらめきに『自分にはこんな能力はない』と愕然とし、純文学を諦めました。それを書いた人物が大江健三郎さんでした」と秘話を明かしている。

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