皇治、借金抱えた父親のDV「おふくろを守りたい」 語るどん底「デビュー戦は1万2000円」

格闘技イベント「RIZIN.41」(4月1日、大阪・丸善インテックアリーナ、ABEMAで完全生中継)で芦澤竜誠(Battle Box)と戦う皇治。乱闘にトラッシュトーク、合同公開練習など注目度は上げるところまで上げた。盛り上がり必至の試合を前に芦澤の印象や自身の成り上がり人生、“トライアスロン”について話を聞いた。

「RIZIN.41」で芦澤竜誠と対戦する皇治【写真:ENCOUNT編集部】
「RIZIN.41」で芦澤竜誠と対戦する皇治【写真:ENCOUNT編集部】

芦澤竜誠は「全てが二番煎じ」

 格闘技イベント「RIZIN.41」(4月1日、大阪・丸善インテックアリーナ、ABEMAで完全生中継)で芦澤竜誠(Battle Box)と戦う皇治。乱闘にトラッシュトーク、合同公開練習など注目度は上げるところまで上げた。盛り上がり必至の試合を前に芦澤の印象や自身の成り上がり人生、“トライアスロン”について話を聞いた。(取材・文=島田将斗)

 ◇ ◇ ◇

――久しぶりの減量はいかがでしょうか。

「減量は慣れないですね。もう50戦やってますけど、腹も減りますしね。結構早めからやってるので楽しくやってます。今(21日)は63キロくらいです」

――芦澤竜誠選手は皇治選手がK-1にいたころと何か変わりましたか。

「何も変わってないですよ。相変わらず弱いですよね。まあでも必死に盛り上げようとしてるところは認めますけど、全てが二番煎じ。俺がやってきたことをやってるだけですよね。なまず音頭は面白くてええなって思います。自分の弱点を強みに変えるって勇気がいること。素晴らしいですよ」

――皇治ファンの目の見えない少年そうる君との交流が話題になりました。格闘技人生でどんな影響を与えましたか。

「正直、今回の試合でモチベーションが全く上がらなかった。俺は上のやつにね、かみついて生きてきたんでね。自分が憧れてるやつはアンパンマンなんですよ。アンパンマンって自分より弱いやつ興味ないと思うんですよね。そういう意味では芦澤は自分より弱いですし、知名度もない。全てが自分に劣ってると思います。

 そういう中でそうる君に出会ったんですよね。必ずボコボコにしてくださいっていう言葉も聞いて、自然と戦う気持ちになりましたね」

――皇治選手の成り上がりとはどんなものだったのでしょうか。

「すごい貧乏やって、俺は中卒なので15歳のときに全然お金なくて、いっちょまえに『プロになんねん。必ずK-1出るから』ってビッグマウスで言うてました。でも、デビュー戦はチケット6000円×2枚で1万2000円ですよ。そんなのもうやっていかれへんじゃないですか。見栄ばかり張ってやってきたのがルーツでしたね」

――1番、環境的に悪いときはどんな状況だったのでしょうか。

「自分は性格的にやんちゃが好きなわけではなく、ただ負けず嫌い。でもなんでやんちゃせなあかんかったかと言えばお金ないですからね。お金がないからけんかをするしかなかった。ハングリー精神は誰よりもありましたよ。なのでバイトもとび職、新聞配達、八百屋さんでも働きました。

 親父もお金を使うのが大好きだったので、借金を抱えて、だまされて会社が倒産するというのがしょっちゅうでした。それでDVやったんですよね。おふくろがすごいボコボコにされるのを見て育ったので、このおふくろを守れるようになりたいと思いました。でも親父は今大好きですよ。良いところも悪いところも見せてくれて今の自分があるから」

――成りあがってきて、今のライバルは誰なのでしょうか。

「孫正義さんです。孫さんに名前を出してもらえるような男になってやろうというのが今の目標です。経営者としてお金を持っていて、賢いって言われたいですよね」

引退についての考えも明かした皇治【写真:ENCOUNT編集部】
引退についての考えも明かした皇治【写真:ENCOUNT編集部】

格闘技イベント「NARIAGARI」をプロデュースで考えに変化

――格闘技イベント「NARIAGARI」をプロデュースして格闘技への見方は変わりましたか。

「自分の場合だったらお金ばっかり、数字ばっかりと思うんですけど、自分の団体、格闘技のことをよく考えたらエンタメばっかり出すのが全てじゃないなと思いました。こっちの方が数字取れるやろうけど、こいつの方が真剣やからこいつに懸けようとか。再生数ばかりいくようなマッチメイクをしようとは思わなかったですよね」

――理想の引退の仕方はありますか。

「魔裟斗さんやと思っています。みんなに惜しまれながら、まだできるでしょって言われながら引退するのが美学です。でも俺の場合はね、ボロボロになりながら上がってきたので、自分の場合は戦えなくなるのも美学かなと思っています。昔だったら絶対そんなこと思わなかったですけど、俺って凡人代表と思っているので、傷ついたところを見せるのもロマンかなと思っています」

――ファイトスタイル的にも引退後のダメージを心配することはないのでしょうか。

「それはないですね。全格闘家がそうでしょ。五体満足でリングを降りる人ってなかなかいないと思いますし、みんないろいろけがをしていると思う。自分で選んだことなのでそれが普通かなと思っています」

――最後に芦澤戦への意気込みをお願いいたします。

「イージーファイトイージーマネーですよ。賛否ありますけど、はっきり言って、なぜ俺らがメインになるかと。MMAの団体でなぜ俺たちがメインをやるか。メインをやらせてくれなんて一言も言ってないですからね。勝手になるということはそういうことなんですよ。俺と絡めば盛り上がるし、今回は芦澤に付き合ってあげる。試合は世界の田中と普通のおさかなクンの差を見せてやらなあかんと思っています」

――トライアスロンに関しては……。

「俺ね言ったことを全部やってきてると思うんですよ。ボクシングの大会で、ラウンド数は違えどボクシングのルールでやったのって俺ぐらいじゃないですか。それで体重差関係なく試合もしました。トライアスロンというのは何でもありじゃないですか。じゃあ最後は何って言ったらひとつしかない。そこをしっかりやって、俺の最後は迎えるんじゃないかなと思います」

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