俳優の松本潤が主演を務め、徳川家康を演じるNHKの大河ドラマ『どうする家康』（日曜午後8時）。死ぬか生きるかの大ピンチをいくつも乗り越えていく家康を描く波瀾（はらん）万丈のエンターテインメント。26日に放送された第12回では、武田信玄から攻め込まれ、家臣にも見限られた氏真（溝端淳平）が、駿河・今川館を捨てる様子が描かれた。妻・糸（志田未来）には、彼女の実家である北条に身を寄せるよう勧められたが、氏真は耳を貸さない。一行が徳川領に近い掛川城に落ち延び、家康は兄弟同然に育った氏真と直接戦うこととなる展開だった。ネットでは「泣いちゃう」「せつない」という声であふれた。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　結局、氏真は家康との一騎打ちで家康に負け、自害しようとするが、家康に止められてしまう。自害を止めた理由を家康は「今も兄と思っておるからじゃ」と伝えた。続いて、氏真が父・今川義元をはじめ誰からも認められなかったとこぼすと、妻・糸が「違います」と叫んだ。義元は氏真について、将としての才能がないと言ったが、糸は義元が「己を鍛え上げることを惜しまぬ者はいずれ必ず天賦の才ある者をしのぐ」と言っていたと語り、さらに氏真が武芸に学問に誰よりも励んでいることを義元は知っていたとし、「ずっとあなた様をお認めでございました」と伝えた。

　それを聞き、すすり泣く氏真に対し家康は「願わくば、ずっと氏真様のおそばでお仕えしとうございました。太守さまの思いに背き、氏真様に弓引くこととなり申し訳ございませんでした」と頭を下げた。糸も「蹴鞠（けまり）をするあなた様が好きでございます。勇ましく戦うあなた様より、ずっとずっと好きでございます」。氏真は家康に「妻とともに北条殿に身を寄せたい。力添え願う」と語ると、家康は了承。氏真は「余は何一つ事をなせなかったが、妻一人を幸せにしてやることならできるやもしれぬ」と語った。

　一方、氏真を助けた家康に対し、武田信玄（阿部寛）が「信玄は大いに怒っておる。そう岡崎のわっぱに伝えてやれ」と激怒する姿もあった。

　ネットでは家康と氏真の一騎打ちなどに「せつない」「氏真も家康もつらい」「なんて悲しい再会」「まさかの一騎討ち」「哀しき氏真」「今川親子のすれ違いが悲しい」「氏真くん、よく頑張ったよ」「泣いちゃう」という声であふれた。また、氏真を演じた溝端については「演技すごかった」「たっぷり鑑賞 大満足」「かっこよすぎ」という声が目立った。

　一方、ビデオリサーチによると26日午後8時から放送されたNHK『どうする家康』第12回の関東地区の平均世帯視聴率は11.0％（個人6.4％）だった。