全日本プロレス・3冠王座に続いてノア・GHC王座を手にしたGLGのリーダー ジェイク・リーのさらなる野望
3冠王座に続いて、GHCヘビー王者に輝いた「GLG(グッド・ルッキング・ガイズ)のリーダー」ジェイク・リーが「次はIWGP? もちろん」と、さらなる野望を抱いている。
柴田惣一のプロレスワンダーランド毎週金曜日午後8時更新【連載vol.138】
3冠王座に続いて、GHCヘビー王者に輝いた「GLG(グッド・ルッキング・ガイズ)のリーダー」ジェイク・リーが「次はIWGP? もちろん」と、さらなる野望を抱いている。
武藤敬司の引退後、ノア初のビッグマッチとなった3・19神奈川・横浜武道館大会。ノアの新たな景色の方向性が注目される中、ジェイクは王者・清宮海斗とのGHC戦に臨んだ。
ノア生え抜きで、ノア愛の強い清宮を一蹴し、ノアの玉座を手に入れた。V1戦も中嶋勝彦(4月16日、宮城・セビオアリーナ仙台)と決定し「これから、オレがノアの舵取りをする」と声高に宣言。天を突きさす得意のポーズがバッチリ決まった。
昨年をもって全日本プロレスを“卒業”しフリーとなったのも「いろいろな選手と戦いたい」という熱い思いを押さえ切れなくなったため。まず選んだ戦場はノアマットだった。
GLGを結成。丸藤正道、杉浦貴らと対戦し、着々と地固めにいそしんだ。そして「もう休め」と、上から目線で清宮からGHCベルトを奪い取った。ノア上陸から、たった3か月足らずで征服してしまった。
思えば全日本の頂点、3冠王座を2度、獲得しており、武藤の引退で「祭りの後」のノアの舵取りをすることも時間の問題だった。
ノアを引っ張っていく自信にあふれ、王者の責任もしっかりと自覚しているが、さらなる野望を隠そうとしない。
もともと、ノア参戦時にも「いつまでも、ここにいるつもりはない。次なる戦場のこと、やりたい相手のことは常に頭にある」と公言していた。GHC王座をその手につかんだのだから、一歩前進。次の目標に近づいたのである。
ノアの舵取りを果たし、新たな景色を描き上げた後のターゲットはズバリ、新日本プロレス・IWGP王座。折しも「ミスターIWGP」永田裕志が、全日本の3冠王座に輝き、グランドスラムを果たしたところ。ジェイクもグランドスラムを目指しているわけではないだろうが、結果として3大タイトルを手中に収めることになる。
「次はIWGP? もちろん」とキッパリ。現在の王者はオカダ・カズチカだが、ともに190センチを超える長身、イケメン戦士である。
ジャンボ鶴田と天龍源一郎の鶴龍対決、藤波辰爾と長州力の名勝負数え唄、棚橋弘至と中邑真輔のライバル抗争…日本マット史を彩ってきた対決に匹敵するバトルとなるはず。
期待がふくらむが、IWGP王座もジェイクのゴールではない。「さまざまレスラーと戦い、上を目指す」とあくなき向上心でさらなる高みを見据えている。
「人生は一度きり。後悔のないように生きる」。
現在、渡航書類の準備を進めており、整えば海外マット進出を視野に入れている。どんなファイトスタイルにも対応できる選手が理想で、トレーニングに加え、柔術道場や格闘技ジムに足しげく通うのも、盤石の強さを求めてのこと。
リング上では、氷のような非情さ・冷たさを発揮するが、リングを下りれば掃除・洗濯など完璧にこなす「きれい好き男子」。洗濯洗剤は「アリエール」一択とこだわりも強い。リング内でもリング外でも、しっかりとした自分軸を持っている。「自分の周りを整えられない人間に、自身の心身を整えられる訳がない」と真っすぐ前を向く。
思えば、世界を舞台に暴れ回るべき男なのだ。大きな羽根を広げ、世界に飛び立つ日を待つ。安住に背を向け苦難も承知の上で、自ら道を切り開くジェイクの生き方から目が離せない。