【罠の戦争】変わっていく鷲津の心を突く鶴巻元幹事長の言葉 視聴者「力を持つものの闇感じた」
俳優の草なぎ剛が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『罠の戦争』(月曜午後10時)の第10話が、20日に放送された。今回は、草なぎ演じる主人公・鷲津亨(わしづ・とおる)の敵・鶴巻憲一幹事長(岸部一徳)の言葉に圧倒される視聴者が続出した。
権力にとらわれているのは誰?
俳優の草なぎ剛が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『罠の戦争』(月曜午後10時)の第10話が、20日に放送された。今回は、草なぎ演じる主人公・鷲津亨(わしづ・とおる)の敵・鶴巻憲一幹事長(岸部一徳)の言葉に圧倒される視聴者が続出した。
同作は、愛する家族を傷つけられた鷲津が、知略を尽くして鮮やかな“罠”を仕掛け、悪しき政治家を失脚させるリベンジエンターテインメント。2015年「銭の戦争」、2017年「嘘の戦争」に続く復讐(ふくしゅう)シリーズ第3弾。
(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)
息子の泰生(白鳥晴都)が歩道橋から何者かに突き落とされ意識不明になってしまった鷲津は、犯人を突き止めるため議員秘書から代議士に。その後、泰生の事件の隠蔽を指示した民政党・鶴巻を辞任に追い込み、総理補佐官のポストに昇進した。
これまで、経営難に苦しむ社長や娘のいじめに悩む親など、「弱い者」の立場になってきた鷲津。しかし議員になって以降は、パワハラ記事を潰したり不正会計の対応を秘書任せにしたりと、徐々に変わっていく。
ある日、怪文書の件で内閣総理大臣・竜崎始(髙橋克典)から呼び出された鷲津は、厚生労働副大臣の座をちらつかせられる。怪文書に鶴巻が絡んでいると考えた鷲津は本職を秘書たちに押しつけ、犯人探しに躍起になる。
鶴巻に関する不正情報を掴んだ鷲津は、私設秘書の蛍原梨恵(小野花梨)と秘書見習いの蛯沢眞人(杉野遥亮)の協力により証拠写真も撮影。このネタと証拠を引き換えに、竜崎に厚生労働副大臣の座を要求する。このネタを週刊誌に派手にリークすれば鶴巻を排除することができ、竜崎にとっても好条件だと伝える鷲津。竜崎は「変わったねぇ、君も」と語り、この件については「一晩預からせてくれ」と答えた。
しかし竜崎は、鷲津からのリークをすぐに鶴巻に伝えていた。鶴巻は不正が世に出る前に緊急会見を開き引退を発表し、実質の権力は握ったままになった。
竜崎に裏切られた気持ちで困惑する鷲津は、鶴巻に呼び出される。鶴巻は、竜崎が交換条件を突きつけた鷲津をよく思っていないと伝える。引退してもなお実権を握る鶴巻に不快感をあらわにする鷲津。しかし鶴巻は、不満を抱く国民のガス抜きのために総理を代えることで満足させてきたと明かす。自分がトップに立たずに「次にすげ替える“首”」を用意し続けることで、「秩序を守って来た」と語る。
「そうやってあなた方はいつも権力にしがみついて……」と怒りをぶつけようとする鷲津を、「同じだろ、君だって」と鶴巻は制する。いじめや犯罪被害者を助けてきた鷲津に向かい、「気持ちいいだろ、力を使って誰かを救うのって」と語りかける。「そうなんだよ、気持ちいいんだ。誰かのため善を成す。でも、そのためにはもっと力が必要になる。いくつかの善を重ねる内に、いつかそれが、悪と呼ばれるようになる。君も、すっかりとらわれてるんじゃないのか?『権力』という魔物に」と続ける鶴巻。その言葉に鷲津は反論できず、混乱した表情でただ鶴巻を見つめるのだった。
竜崎は鷲津を呼び出し、鷲津のおかげで鶴巻と対等の立場になれたと語る。しかし、今後自分の立場が鶴巻よりも上になった時に、影響力のある鶴巻を残しておきたいと語る。竜崎は鶴巻の「秩序を保つ力」を認めていた。
まさに「弱き者」のために悪の道を踏み出し始めた鷲津。鶴巻の言葉にSNS上では、「鶴巻のこのセリフが鷲津の状況を表しすぎてた」「鷲津と鶴巻幹事長のやり取りはまさに力を持つものの闇を感じた」と反応が。また「鶴巻元幹事長の言葉が深い。権力という魔物にとりつかれた鷲津が醜い人間になっていくのが、見ていて辛い」「鶴巻幹事長はただの悪い人じゃなくて、深いなあと。長く政治をしているだけあり、酸いも甘いも理解している人なんだなあ」と、鶴巻の言葉に納得する声も見られた。