芥川賞作家・朝吹真理子氏と犬山紙子氏は互いに「愛してる」と言い合う特別な関係

友人と語らう空間は居心地いいものである。芥川賞作家の朝吹真理子氏にとって、そんな友人の一人がイラストエッセイストの犬山紙子氏。これまで、公に2人の関係が語られることはなかったが、8月11日、東京・下北沢のB&Bで行われたイベントで、ついにトークショーが実現した。

トークで会場を盛り上げた朝吹氏(左)と犬山氏
トークで会場を盛り上げた朝吹氏(左)と犬山氏

ヘソのゴマが気になり竹串で刺して化膿した朝吹氏に犬山氏がかけた言葉

 友人と語らう空間は居心地いいものである。芥川賞作家の朝吹真理子氏にとって、そんな友人の一人がイラストエッセイストの犬山紙子氏。これまで、公に2人の関係が語られることはなかったが、8月11日、東京・下北沢のB&Bで行われたイベントで、ついにトークショーが実現した。

「へそのごまをほじるのはやめよう~エッセイ集のなかに書いてあるばかな話もろもろ」と題されたイベントは、朝吹氏の初のエッセイ集『抽斗のなかの海』(中央公論新社)の刊行記念として行われた。

 2009年に「流跡」でデビューし、10年が経つ朝吹氏。11年には「きことわ」で芥川賞を受賞し、一躍脚光を浴びた。初のエッセイ集には、作曲家の武満徹や英文学者の吉田健一ら“会えなかった人”への愛や、この10年間の身の回りの出来事など、「すこしふしぎ」(SF)が溢れている。文学一家に育った気品と緩急織り交ぜた話題のチョイス、卓越した美しい文章のコラボレーションは読者をぐいぐい引き込み、評判も上々だ。

 乾杯から始まったトークは新著の中にも書かれた「ヘソゴマ」に関する話題からスタート。ヘソのゴマが気になり、竹串で刺したところ化膿してしまい、腹膜炎になるのではと右往左往するちょっとマヌケな内容だ。犬山氏に話したところ、「全行バカだから書いたほうがいい」と薦められたそうだ。

ドラクエのレベルを自力で上げる犬山氏 朝吹氏は”裏技”でレベル99に

 続いて、少女時代や思春期の話題に移行すると、さらにプライベートかつ、砕けた会話になっていく。

 互いに「腐女子」を自認。小中学校と友達がいなかった朝吹氏は、意外にもネットを介して知り合った年上の友人に影響を受け、読書の世界に足を踏み入れていったという。朝吹氏は「なめられると思って、中2なのに中3と学年を詐称していたから苦しかった」と振り返り、さらに「ハンドルネームしか知らない友達を、両親が歓待してくれた」との思い出も披露した。一方、小6までサンタクロースの存在を信じ、「妖精」や「アレルギーを絶対発症しない猫」、「惑星」など無茶なプレゼントを要求。それに応えようと奔走する両親の姿もクローズアップされた。犬山氏は、そんな朝吹一家の姿が愛おしくてたまらない様子で「どれもこれも大好き」「今、抱き締めに行っていい?」と連呼した。

 ドラクエについての話題では、犬山氏が学生時代を振り返り「一緒に行動するくらいのお友達はいたんだけど、休日一緒に遊ぶかといったら遊ばなくて、私はひたすらRPGの世界に逃避をしていた。ドラゴンクエストとファイナルファンタジーをもうクリアしてるんですけど、全部レベル上げをしなきゃ気が済まない」と自身の性格に言及。これに対し、朝吹氏は「ドラクエとFFは父親がレベル99になるまでレベル上げをしてくれるの。朝の4時とかまでレベル上げといてくれる」と驚きのエピソードで返した。

 2人は共通の知人を通じて知り合い、意気投合。初対面では「キリッとしてて、ちょっと近づきにくい感じの女性」(朝吹氏)「すごいクールビューティーで才能あふれる方」(犬山氏)との第一印象を持ったが、次第に引かれ合っていったという。

”ラブラブ”な友人関係 母乳トークでも"らしさ"全開

 そして、今では「愛」で結ばれた関係に。3歳上の犬山氏は、愛に関して直線的な朝吹氏から刺激を受けた様子をLINEでの会話を引き合いに出して紹介した。

「愛してる、好きだ、会えてよかったってずっと叫び合っている。不安から来るものじゃない。見返りを求めない。真理子氏に対してラブ、ラブって言い合うようになってから、ほかの大好きな友達にもラブと言えるようになった」

 朝吹氏は「昨日があって、今日があって、明日があってっていうふうになんとなく続いていくということがどこかで信じられない。今日で会えなくなるかもしれないってどこかで思っちゃう。そうすると、伝えたいことを伝えたいと思う。『好き』という気持ちとか、友達でも、恋人でも」と真意を説明した。

 互いに「紙子ちゃん」「真理子氏」と呼び合う。朝吹氏が「すごく好きな友人のおっぱいを飲ませてもらった時に、本当に嬉しかったの。直接、乳房から飲ませてもらって。3回ぐらい飲ませてもらった中で、味がだんだん変わっていく。彼女が食べた物とかコンディションによって」と言えば、2歳の娘を持つ犬山氏が「分かる。私も自分のおっぱい、まだ出るの。今度あげるね!」と応じるなど、終始、ユーモラスな会話で集まった聴衆を楽しませた。

(ENCOUNT編集部)