コロナ禍でのデマ拡散で約700人が死亡 イランでアルコール中毒者が急増、豪メディア伝える
新型コロナウイルスに関しては、日本でも「お湯を飲めば予防になる」など様々な誤情報が流れているが、この状況は海外でも同様のようだ。イランではメタノールを飲むことが新型コロナ治療に効果があるとの誤情報が広まり、2月20日以降で約700人もの人がアルコール中毒で亡くなっている。
ここ2か月間のアルコール中毒件数は2019年通年と比較して10倍と異常な数字に
新型コロナウイルスに関しては、日本でも「お湯を飲めば予防になる」など様々な誤情報が流れているが、この状況は海外でも同様のようだ。イランではメタノールを飲むことが新型コロナ治療に効果があるとの誤情報が広まり、2月20日以降で約700人もの人がアルコール中毒で亡くなっている。
イランではアルコールを飲むことが新型コロナウイルスに効果があるとするデマが広がり、アルコール中毒で約700人が亡くなった。これを受け、イランの医療従事者たちはデマを信じないように注意を呼び掛けているという。オーストラリアのテレビ局「ABC」電子版が伝えた。
4月のイラン政府が発表した報告書によると、ここ2か月間のアルコール中毒件数が2019年通年の数値と比べて10倍となったという。2月20日~4月7日の期間で、アルコール中毒により728人が死亡。昨年同時期のアルコール中毒による死亡者数は66人であったことから見ても“異常”な数字であることがうかがえる。
イランは中東においてトルコと並び、新型コロナウイルスの感染が拡大している国の1つであり、死亡者数5806人、感染者9万1000超となっていると同メディアは伝えた。そして、イラン保健省のキアヌシュ・ジャハンプル報道官は「2月20日以降、毒性のあるメタノールを飲んだことにより525人が亡くなった」と語った。さらに、「5011人がメタノール中毒となり、約90人が失明や目の疾患を負った」とも明かしている。
感染が拡大する前に政府が危機を軽視していたことを受け、国民が政府に対し強い不信感を持っているイランでは嘘の治療法がSNSで広まってしまったと同メディアは報じている。